次節 対戦するのは町田ゼルビア。
今年昇格したばかりのクラブだが どうもこのチーム 好感度がよろしくない
昨年のJ2独走状態からSNS上では とにかく評判が悪く ロングスローや
荒い守備など勝つためには手段は選ばない戦い方に批判が殺到していた。
ただそれは町田への批判というより ”黒田監督” へのものが大半だった。
確かに ガチガチの守備とロングスローは 青森山田のサッカーそのままで
プロを舐めんなよ!と言いたくなるし 手段を選んでない戦い方だとは思う。
ただ開幕から3節までの成績は 2勝1分でリーグトップ しかもその相手は
ガンバ 名古屋 鹿島と もはや反論できないほどの結果を出しているわけだ。
一方のコンサドーレと言えば ”1分2敗 いまだノーゴール” と悲しいご成績で
とてもじゃないが「胸を貸してやる」なんて言えない立場で 何だか切ない。
このタイミングでJ1ルーキーだけど強いなんて ちょっと嫌な感じはするが
ただ個人的には この対戦をかなり楽しみにしていた。なんせ監督の戦術が
対極にあって ミシャサッカーvs黒田サッカーの構図は究極の対戦図と言うか
サッカーファンとして面白いし コンサドーレサポーターなら なお更 絶対に
負けられない戦いになるのだ。そこはコンサドーレサポーターだけじゃなく
他のサポーターや多くのサッカーファンも注目するだろうし そんな中には
”ミシャさん 頼むから黒田をやっつけてくれ!” と願う人もいると思う。
で なぜにこれほど黒田監督が嫌われてるかと言うと
アンチフットボール
”サッカーをしない させない” という思考が根底にあるからだろう。
相手の嫌がる事し自由にさせない どんな手を使ってでも勝点を取ろうとする
そんな真正面からのサッカーを避けた思考が嫌われる一番の理由だと思う。
ただこうした考え方は日本人監督の多くが根底に持つものだろうし 今現在も
何人かの監督は ”アンチフットボール=勝点直結” と考えていると思う。
ミシャのような パスを繋いで チャンスを作り 全員が攻撃意識を高く持つ
というスタイルは日本人監督には構築出来ないものであって やろうとしても
どこかで挫折するか やったとしても上っ面だけの攻撃サッカーなのである。
そうした中で 黒田監督は ”徹底” しているのだ。
他の監督はどこか中途半端に理想を入れ込んだりして 本当はもっと守備的に
やりたいし ロングスローも使いたいが それはカッコ悪いと言われるから
形だけのパスサッカーをしたり それっぽい攻撃をするのだが 黒田監督には
そんな中途半端さはない。真正面からカッコ悪さを受け止めていると思う。
その潔さみたいなものは 嫌いじゃない。
勿論 好きではないが あれだけ徹底する信念は 確かなものだと思う。
誰だって嫌われたくないし カッコ良いサッカーをしたいのは当然なはずだが
それでも黒田氏は自分の信念を貫くために 批判も覚悟で貫いてるのだろう。
それが出来ずに中途半端な理想を入れ込む監督より ずっと強い人だと思うし
アンチフットボールに振り切ってるからこそ ”個性的” でもあるわけだ。
とは言え サッカーからサッカーを排除した戦いが 良いわけがない。
プロサッカーは あくまでも ”エンターテイメント” であって アマチュアなら
勝つために徹する考え方もあるだろうが 観客のために サポーターのために
面白いものを魅せようとするのがプロサッカーなのだ。そこを度外視したら
興行じゃなくなるわけで 結果的に負けたり 面白くない試合もあるだろうが
根底は常に ”楽しませよう” という理念がプロには不可欠だと思うのだ。
それをミシャはずっと言い続け 日本に浸透させようとしているのだろうし
その理念を完全に排除した黒田氏に致命的に欠けているものでもある。
で ちょっと余談になるが 麻雀のMリーグ 去年の優勝は渋谷ABEMASだった
このチームのリーダーが多井隆晴で 雀風は ”ガチガチの守備型” である。
他家からリーチが入れば現物以外切らないし 配牌降りというのも普通にやる
それでも とにかく強い。歴代1位の成績で ”ミスターMリーガー” なのだ。
あんなに降りる雀風で なぜ勝てるのか 本当に分からないが とにかく強く
個人的には本当に嫌いなのだが あれだけ強ければ認めざるを得ないのだ。
で その秘訣を色々考察してみたが やっぱり分からない ただ1つ言えるのは
多井の麻雀=黒田のサッカー
相手の嫌がる事をやり 勝つための手段は選ばない エンタメ性を度外視する
これらの点では黒田監督の思考と全く一緒なのだ。それで結果を出す所も。
また 多井の麻雀と黒田サッカーの共通点はそれだけじゃなく ABEMAもある
動画配信サービスのABEMAの麻雀チームがABEMAS 前監督は社長の藤田氏
町田のオーナーも藤田氏。同じ人物が 同じ指向のチームを持っているわけで
これは偶然ではなく 藤田氏の意向がチームスタイルに反映してると言えるし
”成功者の意向が成功に導いている” とも言えるわけだ。こうした思考の方が
ビジネスも麻雀もサッカーも 成功するのかなぁなんて思ったりもした。
ただ この多井の麻雀も 今年は芳しくない。と言うのも 押し返す雀士が増え
守ってばかりでは勝てなくなって来たのだ。今までは降りてれば凌げた場も
強気で打つ雀士が多くなり 結局ツモられ 下位に落ちる展開が増えて来た。
麻雀もサッカーも時代によってトレンドはあるが 守備的な戦術というのは
少し前のものとなりつつあるのだろうし Jリーグの日本人監督においては
守備的というより保守的なサッカーで ある程度 リスクを減らすのは良いが
リスクを怖がり過ぎては 勝ち切れない時代なのかもしれないと思うのだ。
というか そんな事より コンサドーレは町田に勝て!いや 黒田に勝て!
正直 町田は強い。簡単に勝てる相手じゃない。既に結果も出しているし
自信もつけてるはず。また やってるサッカーもシンプルだが統制されていて
チーム全体で黒田サッカーを体現している。前節の鹿島戦を見ていたのだが
プレスの強度が高く 奪えば速いカウンター スペースを使うのも上手かった
他にも球際の強さや粘り強さ そしてロングスローと 強さが際立った。
コンサドーレとしては最も苦手なスタイルな相手だが こっちはホーム戦で
あらゆる力が味方してくれるだろうし ダテに8年もJ1にいるわけじゃない。
そして 意地がある。
黒田氏の言っていた ”足元でチャカチャカやるサッカーは甘い” というのは
ミシャサッカーへの挑戦状だろう。確かにコンサドーレは足元チャカチャカ
かもしれない ただ それは ”雑なサッカーをしない” という表れでもあるし
サッカーにおいてパスを繋ぐというのは 基本中の基本なのである。
縦に速いサッカーが主流の現在でも それは縦ポンと違い パスの本数減らす
という考え方に過ぎないわけで ビルドアップを放棄した人にパスサッカーは
甘いだの何だの言われる筋合いはない。だからこそ思うのだ。
コンサドーレはコンサドーレとしての戦いで 意地でも勝ちたい。
これは ”フットボール vs アンチフットボールの闘い” なのだ。
だから黒田氏に
”サッカーやろうよ” なんて
甘い事は言わない。
そっちはそっちのサッカーで
コンサドーレはコンサドーレのサッカーで
どっちが正しいか 白黒つけようや。
土曜が楽しみである。