今年のスイカは 甘くなかった。 だけど 食い終わってみると 美味かった。
■ 札幌 4-0 熊本
最終戦は某町の面々と一緒に観戦しまして。町議さんやら サッカーの指導者やら
サッカー少年団やら 大勢と観戦できまして 非常に楽しかったですよ。
中でも サッカー少年団の子供たちは 初めてのサッカー観戦だったそうで 選手の
名前が分らないから 「今点入れたの誰?」 と聞いては 三上や西嶋の名前を覚えて
いました。砂川が決めた時は 名前を教えるのと一緒に 「今日で退団なんだ」 って
言うと 「なんで!?」 と真っ直ぐに聞かれましたね。答えに困りましたが。
ただ 少年たちは終始 楽しそうに はしゃぎながら見てましたし そりゃ目の前で4点も
取れた試合ですからね お前ら良かったなーと思いながら 観戦してましたよ。
試合は序盤から 「最終戦&ホーム」 というモチベーションが感じられました。
その日で札幌を去る選手や レンタル組も まだどうなるか完全じゃないでしょうから
自ずと気持ちは昂ぶっていたと思いますね。また 今年最後の試合ですから
積み重なった悔しさや感謝の気持ちも この試合にぶつけていた と思いますね。
そんな気持ちが爆発するように 次々と決まるゴール。
1点目の三上。
ワントップという 「最も難しい仕事を高校生にやらせる」 という鬼のチームですが
三上の総合力の高さが活きましたね。砂川から出たボールを ダイレクトで当てた
完璧なゴール。ニアに引っ張った藤田も良かったですし 冷静に空いた場所を見た
三上も良かった。崩しの形も センタリングも シュートも 今年 No1のゴールでした。
2点目の砂川。
正直 これまでFKで ボールの前に立つ砂川を見ると 「あぁ またバーの上か…」 と
思ってました。この試合でも1度ありましたし。だけど 最後は 決めましたね。
熊本のGK南が逆の読みをしてたんで 反応できなかったのですが キックの精度も
良かったですよ。ここ数試合で見せてるパフォーマンス 高木とのコンビネーションは
札幌にとって大きな力でしたし 退団は非常に残念に思いますね。まだまだ現役で。
3点目の西嶋。
まぁ正直 ラッキーですw。 DFで視界が遮られてたんで 南にはノーチャンスでした。
ただ ボールはインパクトが強くて良いシュートでしたね。チーム得点王ですか?
4点目 またも三上。
正直 あまり憶えてませんw 背番号が大きい選手ってのだけは分りましたが それが
三上と知った時は 「なら もう1点取れー!」 って叫んでました。高校生のワントップ
だけでもエラい事なのに ハットを強制するとは オレも鬼すね。でも君になら言える。
次々と決まるゴールに歓喜し 守備では危険なシーンが徐々に減って0で抑えたと。
チームとしての やりたい事 やるべき事が出来た試合だったと思いますね。
そうやって考えると 「もっと早く こんな試合をしてくれてれば」と思っちゃうんですよね
夏が過ぎるまでの あのモヤモヤとした試合の数々が無ければ 今シーズンはもっと
楽しいシーズンだった と残念に思ってしまいます。が だけど 違うんですよ たぶん。
「なんだか オイシイ試合だけ見ちゃって 申しわけないよ」
試合が終わった後 一緒に観戦していた某町の方々と飲み会を開催しまして。
面々は 今年初観戦だった人や 多くても2度目の人たちばかりで 飲みながら
そんな事を言ってました。確かに 遠くからだから そう気軽に来れないのですが
こうしてようやく来れた試合が 凄く面白い試合で それは本当に良かったと思います
ただ 本当に美味しい思いをしたのは 僕らの方だったんじゃないか と。
今年 ほとんどのホームゲームに行きまして。その分だけ しょっぱい試合も見て来た
わけであります。ただ しょっぱかった分 最後の甘さも強く感じたんですね。
点が欲しくて欲しくて 苦しんだ時も ボールが繋がらず崩しなんか出来なかった時も
ホームで 敗戦濃厚で 意地さえ見せてくれなかった時も あのミスも あの敗戦も
あらゆる しょっぱい場面を見て来た人は この試合の本当の喜びを知ってるわけです
だから 「本当に美味しい思いをしたのは オレらですよ」 と言いました。
スイカに塩。
そんな話しをしながら なぜだか 子供の頃食った 「スイカに塩」 を思い出しました。
昔 スイカを食ってると かーちゃんが塩を掛けるんですね。 で 「甘くなったしょ」 と。
昔のスイカは今ほど甘くなくて 僅かな甘味を大きくさせるため 塩を掛けたんですね
ただ 子供の舌で そんな事が分るわけもなく 何か変な味だなーと食ってましたよ。
だけど それなりの歳になって来ると そういう 「足すために引く」 みたいな感覚が
分るようになるんですね。味覚の反作用とでも申しましょうか。
あの頃は 「かーちゃん 余計な事 すんなよ」 と思ってましたけどね。
今シーズンは 甘くないスイカで だからこそ 塩が甘さを引き出した と言うか。
プロサッカーが興行である以上 つまらない試合は あっていいものじゃない ですが
サポーターは それとは違う視点を持つのだと思います。例えるなら 発展途上を見る
と言う様な。そうやって考えると しょっぱい時も必要なんじゃないか と思いますね。
最終戦 これまで苦しんだ数々の事が変わっていました。
例えば積極性。例えばカウンター。例えば守備。例えば崩し。例えばゴール。
シーズン中 あれだけ出来なくて苦しんだものの多くが 結果として表れたわけです。
だから 満足していますね。勿論 シーズンには満足してませんが 発展途上にあって
最終的な今のチームに満足しています。後は 「継続」 できるか どうか だけ。
今年のスイカは甘くなかったですが 塩のお陰で 美味くなりました。
来年は たぶん 塩なしで食えると そう信じております。頼みますよ 石崎さん。