昨日 東京では大規模な防災訓練が行われたそうですが。
防災訓練といっても災害時に身を守る訓練じゃなく 帰宅困難者の対策訓練だった
らしいですが 参加人数が1万人にもなると それなりにリアリティがあって 各所では
様々な障害が発生したとか。災害対策は 普段から考えておくべきなんでしょうね。
もしもの時 身の安全を確保するために 家族を守るためにどうすべきか 常日頃から
チェックしておかなければならない と改めて思いましたね。
ところで 札幌ドームは大丈夫なんだろうか?
屋根で覆われた札幌ドームは 世界でも珍しいスタジアムであります。そのお陰で
雪の多い札幌でも 3月からサッカーが開催出来ますし 風や雨の影響を受けずに
快適な観戦が出来るわけです。もう1つのホーム・厚別と比べ 来場者数にも表れて
いるように 「ドームの方が行きやすい」 と思ってる人は多いのではないでしょうか。
ただ ドームは快適ではあるんですが 「危険でもある」 と思うんですね。
先日 エジプトで起こった惨劇をご存知でしょうか。2月1日 エジプトのリーグ戦で
試合終了後に暴動が起こり 死者74名を出す大惨事があったのです。事の発端は
負けたチームのサポーターが相手を侮辱する横断幕を揚げ それに怒ったホームの
サポーターがグラウンドへ乱入した というもの。日本では考えられない大きな惨劇
ですが エジプトでは現在 国の混乱もあって 事態を悪化させたのだと思います。
サッカーファンとして非常に悲しいニュースでしたし エジプトは五輪出場も決めて
これからが楽しみでしたから 今後が心配ですね。なんとか立ち直ってほしいです。
この事件 「サポーターの暴動により死者74名」 と聞くと 暴力での殺害という印象を
持つと思いますが 実際はそうじゃなく 亡くなった多くの人は 「圧死」 だったそうです
パニック状態になった観客が出口付近に雪崩れ込み 将棋倒しになって 圧死した
というのが原因の主なんですね。エジプトは サッカーが熱狂的な国ですし 更には
国の混乱も加味され スタジアムは異様な殺気だったと思います。そんな中 暴動が
起こり 逃げるにも命懸けだったでしょうし パニックは増大したと思います。その結果
多くの死者を出す大惨事になったわけです。死因は殺害ではなく 圧死なんですね。
またこれまで各国で起こった 暴動による被害も ほとんどが同じ圧死が原因でした。
こうした惨事を 「遠くで起きた出来事」 としてはならないと思うんですよ。
サッカーファミリーの悲しい出来事ですし 「教訓」 は必ずあると思うんですね。
まず 「対戦相手を過度に刺激しない」
本来サッカーは過激なスポーツですし 応援するのにも どこか過激になるのですが
あくまでも 「スポーツの範囲として」 だと思うんですよ。選手は 試合中どれほど熱く
なっても 笛が鳴った瞬間 握手をします。そうして わだかまりを無くすわけです。
応援してる選手が 真っ先にそうするなら 我々も同調すべきだと思うんですよ
敵だ ライバルだ と言っても それは戦ってる時だけで。終われば仲間 とするのが
スポーツの世界ですから。また 試合中の過度な野次も どうかと思うんですね
ある程度までなら 理解も出来るんですが それを越え 「侮辱」 にまで達するものが
多々あります。こうなると もう応援じゃないですし スポーツでもないと思いますね。
少なくともスポーツを知っている人なら 加減やボーダーラインを知ってますからね
「馬鹿な野次は恥かしい」 と思える環境に 早くなってほしいと思いますよ。
ただ日本の場合 スタジアムで起こるトラブルも そんなに酷くないと思います。
穏やかな国民性ですし 殺伐とした空気もない。海外のサッカーを知ってるわけじゃ
ないですが 何となく空気感は分るんですよ。殺気の質が全然違う と言いますか。
ですから 日本のスタジアムでトラブルが起こっても エジプトのような惨事はない
と思います。世界と比べれば 日本は安全で快適なスタジアム と言えるわけです。
ただし 安全と言っても 「災害時の安全」 は心配ですね。
もし 札幌ドームでの試合中 災害があったら?
そう考えた事 あるでしょうか。正直 自分は無かったですよ。いやドームだけじゃなく
ホテルや自分の家でさえ あまり危機意識はなかったですし 避難経路も考えた事は
なかったですね。防災に対しては 本当に無防備な状態でした。
ただ 昨年の震災の時 「今 起こったら こうしよう」 というシミュレーションをして
避難場所や 家族との連絡方法をカミさんと話し合いました。そうした家や会社など
自分のテリトリーは まだ対処しやすいのですが 「スタジアム」 は ちょっと難しいと
思うんですよ。毎日行く所じゃないですし 山や海のような危険を考える場所じゃない
ですが 実際は 危険も多くある わけです。
例えば スタジアムには必ず 段差があります。災害時には必ず その階段を登ったり
降りたりしなければならないわけです。ましてパニック状態になった人たちが 一気に
通路へ押し寄せ 我先に行こうとするわけです。最初は冷静であっても 瞬く間に
冷静さは失われると予想されます。また 無事階段を登れたとしても その先どっちに
行けば外に出られるか分らなければ 更にパニックは増すと思われます。
特にドームが危険なのは 「閉塞感」 じゃないでしょうか。
塞がれている という気持ちが恐怖感を増大させると思います。そうした状態の中で
狭い通路 薄暗いスタジアム内を逃げるのは かなり危険だと思いますね。
耐震や火災には十分な設備が整ってるだろうドームですから そこまでの状態には
そうなるものじゃないと思いますが 「もしも」 の時のために やはり避難経路は
調べておくべきだな と思いました。それと 必要なのは 「気持ちの準備」 ですかね。
災害は 「起こるかもしれない」 と 常にどっかで考えてなければならない と。
そういう覚悟や準備があれば パニックも多少 抑えられると思うんですよ。
例えば 今度 ドームに行った時 一応 非常口を調べたり 頭の中で 「こう逃げる」 と
シミュレーションしたら 気持ちの準備は出来ると思うんですね。たったそれだけでも
もしもの時には だいぶ違うと思いますし 家族や友人を守るためにも 必要な事だと
思います。災害は ないと思わずに 出来る最低限の準備だけは する と。
エジプトの大惨事。亡くなった方のご冥福をお祈りします。
そして こうした悲劇が もう二度と起こらないよう 切に願います。
また我々自身が気をつけて 「サッカーは危険なスポーツ」 と思われないように
したいですね。こうしたニュースが 一般客をサッカーから遠ざけますから。
また スタジアムの災害対策も必要に思います。
昨年の東日本大震災は 我々の最も身近な悲劇として 教訓にしなければならない
と思います。予期せぬ災害が起こった時 どこにどう避難すればいいか 確認したり
ドームやクラブは 試合前に配られるパンフレットに非常口や避難経路を記載したり
何らかの対策をしておくべきだと思います。起こってからでは 全てが遅いですから。
エジプトや仙台の惨事に対し 何かの教訓を得る事が 我々の使命かと思います。