今週の土曜は いよいよ厚別開幕であります。
前節の水戸戦で浮上の切っ掛けを掴んだか? という注目の試合でありますが
もう1つ 多くの方が楽しみにしてるであろうものが
エキシビションマッチ。
コンサドーレOBとGLAYのTERUを始めとした芸能人チームが対戦するという
超豪華な前座試合が行われるわけです。 こっちがメインって人も多いでしょうね。
で OB戦は昨年もやってますし 珍しくないのですが 今回 OBチームの中に
どうしても触れておかなければならない選手がいるわけです。
岡田佑樹
蹴馬鹿が唯一 応援して来た選手であります。
コンサドーレに入団した03年から 昨年 藤枝MYFCを退団するまで 11年間
応援する選手は岡田だけと心に決め 他の選手からはサインも握手も写真さえも
求めなかったという おじさんの操(みさお)を守り通し 応援して来た選手です。
そんな岡田がもう1度 赤黒のユニを着てくれるのは嬉しいですね。 感無量です。
関心のない方には 「何で岡田が呼ばれたんだろ?」 と思ったかもしれませんが
実は彼 今はれっきとした札幌市民なんですよ。 昨年末で現役を引退しまして
今年2月22日(猫の日)に入籍して この春からは札幌に移住して来ております。
ですから コンサドーレOBであり 地元民としての参加と ご理解してください。
岡田の引退については これまで何度も書こうと思ったし 実際 何度も書きました
ただ 書ききれないんですね。 どう書いても何か違うと言うか 纏まらなかった。
11年間の蓄積された思いっていうのは やっぱり軽くなかったみたいです。
それと 長い間 一緒に岡田を応援して来た仲間がいて その人たちの事を思うと
軽はずみな事は書けなかったですね。 自分よりずっと強く熱い人たちですから。
とにかく 書ききれず 送信ボタンも押せず そうしてウジウジとしていました
今 こうやって書いてても 本当に書ききれるんだろうかって思ってますね。
岡田とは 毎年1回 皆と一緒に飯を食う機会を設けてました。
彼が札幌を出た年からで もう7年になります。 毎年 年末に会って 近況を聞いて
その時 在籍してるチームの事や 戦力外になってたなら 次はどうするかなど
そのつど話しを聞いてました。 引退の事も以前から聞いてて 覚悟はありました。
5年ほど前に 「引退したら どうするんだ?」 と聞いたことがあります。
すると岡田は 自分の将来の事を ポツポツと話してくれました
「30歳までプレーしたい」 「いつか札幌で店を開きたい」 「結婚は引退してから」
そう話してましたね。 当時はまだ若く 現役のJリーガーですし 引退後の事は
あまり考えてないのかなと思ってましたが 本人にはしっかり夢があったようです。
ただ その夢は簡単じゃなく 30まで現役を望んだとしても 移籍先があるかどうか
札幌で店を開くっても どうやって? どんな店を? と現実的ではないように
思ってましたね。 それでも 毎年会って 岡田はいつの間にか30歳になっていて
店の事も独学で学んだり 資格を取ったり 水戸では短期ですが店を開いたりして
そうやって 夢の1つ1つを実現してゆく様子を見ながら あの時 話してたものは
本気だったんだな と。 夢なんかじゃなく 計画だったんだな と思いましたね。
すると 次に現実になるのが “引退” でした。
一昨年末 岡田と会った時 「次は藤枝に行きます そこが最後だと思います」 と
引退を匂わせてました。 札幌でも栃木でも水戸でも それぞれのクラブで
苦しい思いをしたのは知ってますし 30まで現役 という目標は叶えたのですから
引退を決意するのは自然なのかもしれません。それでも出来れば続けてほしいと
藤枝が J3 J2と昇格して現役を続けるか あるいはコンサドーレに戻って来て
もう1度 赤黒のユニフォームを着てくれる事を 静かに願ってましたね。
ですが そんな願いは叶わず。 昨年 11年のプロ生活にピリオドを打ったのです。
岡田が引退した事には いろんな想いがあります。
悔しさや寂しさや 勿論 良い思い出もたくさんあります。
選手紹介で思いきり名前を叫んだ事や 活躍して喜びを爆発させた事
ジュビロからオファーが来ると思っていた事 必ず代表に呼ばれると信じていた事
対戦相手になっても 手を伸ばし 握手した事 ビジターで応援した事もありました
11年の歳月っていうのは 本当に多くの想いを蓄積させましたね。
そんな たくさんの想いはあるものの 今は 「よく頑張ったな」 と納得しています。
それと もう1つ。 一緒に応援して来た仲間との事。
女性4人におっさん1人という妙なグループでしたが 彼女達に教えられたものは
尊く 自分にとって大きなものばかりでした。 その事はいずれ書きますが 今は。
良かったなー と。
いろんな想いはあるものの こうやって岡田がもう1度 赤黒のユニフォームを着て
俺らの願いを叶えてくれたわけだから。 それは 本当の本当に嬉しいですね。
仲間のみんなも 絶対 喜んでると思います。 チビるぐらい 喜んでると思います。
だけど 泣くんじゃねぇぞ。 せっかくの晴れ舞台を湿っぽくさせんじゃねぇぞ。
と 思うものの。 やっぱり無理でしょうね。 まぁそんなオレも無理だろうけど。
という事で。 多くの人たちが TERUやスキマスイッチのヒゲの人に喜ぶ中
ごく一部のマニアな面々が 背番号2の復活に そっと涙を拭うのでしょう。
だけど その涙は 昨日今日の感情じゃなく。
11年っていう馬鹿みたいに長い時間が積み重ねられた感情であります。
もしそんな人がいても お近くの人は どうか静かに見守ってあげて下さい。