コンサドーレが誕生して 早や8年。
その間 ホームゲームのほとんどを スタジアムかTVで見ていた
スタジアムへ足を運ぶ場合 前売りでチケットを買う というのを繰り返していたが
それが'97の半ば頃から だんだんと困難になり
とりわけ'01のドーム元年には 前売り2時間完売!ダフ屋まで登場する!
と言う 高騰ぶりを見せた。
'99・00は 「超個人的感情の問題(この件はいつか話します)」 により
スタジアムへは行かずTVのみの観戦で '01の後半からようやく気を取り直し
「後期のみのSS指定席シーズンチケット」なるものを購入した。
その翌年は最初からシーチケになったのだが
このSSシーズンチケット なかなかどうして ツワモノだった…
2人で10万を越える金額 どこの席に当たるか分らない指定席
しかも1年間だから買った時は行けるかどうかも定かでない リスクのあるチケットだ
さらに数試合行って分かった事がある 周りが全てシーズンチケットの方なのだ。
「ご近所さん」 がいつも同じ顔ぶれ
顔はよく見てないが 声と叫ぶ内容で分かった。
サッカーを見ていると どうしても力が入る 声も出る
ゴールをしたら喜びの 危険な時には励ましの叫びが出る
せっかくスタジアムまで来たのだから 声だけでも試合に参加すべきである
シーズン当初はSS席の皆様も割と静かに観戦しておられた
が数試合たつにつれ チームの不甲斐ない戦いに SS達も声が出始める
最初の頃は 「がんばれー負けるなー」 「集中!」 声に励ましの温かさがあった。
だがやがて シーズンも終盤を迎える頃には
「コラー!テメーラなにやってんだー!!」 に変わる。
なかでもチャンピオン級のオヤジがいる。
その怒り方たるや凄まじい。
席は3つ隣で すぐ近くなのに 何を言ってるか分からない
しかも試合開始直後からだ キックオフから3分もたたずに 「コラー!」となる
「なにもこんな早くから・・」とツッコんでみたくなるが…
オヤジの戦闘態勢は完全に整っている もう誰にも止めることは出来ない。
試合が進むにつれ オヤジはますますヒートアップする
なにか言葉を発するたびに 体が前後に揺れる ツバは飛び 目は血走り
血圧は200ぐらいまでアップしている
相手選手・審判・コンサの選手 オヤジの牙は全てに向けられた。
ハーフタイム
オヤジは必ずトイレに行く 僅かな時間だトイレは混む オヤジは走る
ここでも戦闘はやめない 誰よりも早く辿り着くため 人を掻き分け 走る 登る 走る
席に戻り 落ち着きを取り戻したかに思うが 後半開始後もすぐキレる やはり早い
見事なカウンターだ そのスピードたるや選手も見習ってほしいものだ。
血圧もあっという間に元の200へ 全身の細胞は一気に覚醒する
残り時間はあと僅か 相手に猛攻を受ける 下がって守る が 足は止まる 危ない!
「オラー×◎!動けーって×◎▲!止まんなー×○▲って 言ってるべ!コノっ!」
相手にゴールを決められる。オヤジの怒りは頂点へ達する
「○▲×▽×××◎○▲▽××◎○▲×▽××◎!!!って!!!!!」
もはや何を叫んでいるのか分からない。言葉になってないのにもホドがある。
分かるのは言葉の最後に 「ってコノ!」 と付くことだけだ
何を言っているのか聞いてみたいが 怖い。
そして試合終了とともに オヤジは風のように会場から消える。
ひとつ気になることがある。
いつもは息子と来るのだが 時々会社の同僚らしき人と 来ることもある
それも違う人を入れ替わり連れてきていた その人たちに聞いてみたい
この父と この同僚と サッカーを見に行くことを どう思っているのか?
家で息子に避けられてはいやしまいか?
会社の同僚の笑顔はギコチナクなってないか?
そんな心配をよそに オヤジはまた誰かを連れてやってくる
静かに 胸には闘志を秘め
ここが ここだけが私の全て捧げる場所であるかのように…
私たちは尊敬の意味をこめて オヤジをこう呼ぶ ――――"とっちらかりオヤジ"と。