蹴馬鹿no.8 「閃光」について ちょっと解説します。
この「素人の希望的妄想短編小説」は去年の2月に書いたんですが
当時コンサドーレは大胆な刷新を図ったシーズン前でした。
ベテラン勢を一掃し 補強はなし 監督の力量も不明 と言った
サポーターにとっては「どうなるのだろう」と不安が覆うような頃でした。
頃を同じくしてHFC(チーム運営会社)から発表された「五段階計画」。
その内容は“運営の危機”。それに伴う今後の“路線変更”。
現実を知れば知るほど 「覚悟をしなければならない」という状態でした。
とは言うものの サッカーは楽しくありたい。
そんな思いから 何とか「一縷の望み」みたいなものを書きたい と。
で 実際シーズンが始まってみると 開幕当初は思ったより良くて
順調な滑り出し ですがその状態も第一クール半ばで勝てなくなります。
そして結果はご存知のように「最下位」。
シーズンのほとんどを下位のまま終えます。
ただ 先にも書いたように「覚悟」と言う意味では出来ているわけで
シーズンでの戦いは ある種「仕方がない」とも思えてました。
ただ そんなJ2のチームでも 唯一日本一のチャンスがあるのが天皇杯。
この約8ヶ月後から始まる大会を「一縷の望み」として書いた次第です。
正直なところ「そう上手く行くわけはない」 という話しで
実際 天皇杯1戦目になる「宮崎・ホンダロック」戦では 悲惨な状態でした。
シーズン最下位・天皇杯1回戦 ギリギリ延長Vゴール勝ち
そんな状態で「望み」もなにも…しかも次は市原。
この室蘭で行なわれた ホンダロック戦も市原戦も見に行きましたが
市原戦の試合前なんかは「勝つ」というイメージはまったくなかったですね。
力量の差は歴然ですし 何よりまだチームとして未熟でした。
J2のリーグですら勝てないチーム。良いイメージが浮かばないのは自然で。
ですが。違った。試合が始まると今までとは明らかに違う。
良く走るんですよ。走りの市原を上回る走り。
それを見ながら 自分で書いたこの「閃光」がオーバーラップしてきて。
で市原に勝った。それはそれは今思い出しても感動が蘇ります。
ただ そこが物語の舞台じゃなく。目的地はあくまでも国立。
そして次の大分戦に勝ちベスト16に上がった時
国立・決勝のチケットを買いました。
その時点では あと2試合勝たなければ 国立まで行けないわけで
しかも年末。ツアーはどこもいっぱい。遠方から友人も来る。
カミさんの実家にも行かなければならない。
いい年かっぱらったのがサッカー見に行ってる場合じゃないわけですよ。
ただ この「閃光」を書いた自分が「望み」を捨てるわけにはいかなかったですね
「天皇杯・決勝」とだけ書かれたチケットが「望み」そのものでした。
結果は残念なことに 準々決勝でジュビロに敗れました。
元旦。国立ではジュビロサポーターに紛れ ただ羨望しながら決勝を見ました。
それでも この「閃光」の結末を見届けたことには満足しています。
文中ではシーズン5位と書いてますが 実際はもっと低い位置
最下位からのスタート。ホンダロックに勝ち。市原に勝ち。大分に勝った。
妄想であったはずが 徐々に現実味を帯びていく
あの感触はたぶん一生忘れないと思います。
書いて良かった。そう思えるものになりました。