ボランチの質=チームの質
その昔 サッカーはフォワードでした。
とにかく一番上手く 一番強い選手はFW
その選手の能力がチーム力と言っても過言ではなかった。
その後 中心はひとつ後ろに下がり トップ下と呼ばれる位置が花形となる
チームを掌握し ゲームを支配する10番が チームの要となった。
その時代時代のフォワードにしてもトップ下にしても
エースと呼ばれる位置についた選手は 11分の1ではなく
チームそのものを背負ってプレーしていました。
そして数年前から中心点は中盤の底 ボランチへと移行され
ここに良い選手を置けたチームが結果を残しています
言い換えれば ボランチの質がチームの成績を握っている という事になり
それは ボランチの質=チームの質 とも言えるのではないでしょうか。
例えば 昨日の横浜FC。ボランチには山口がいました。
そのキャリアに違わず老獪なプレーを見せていて
ポジショニング・パス・ペースを変えるプレー 時々に合せるプレーが効いていました
先制し時間を費やす事に労力を注ぐと 一層 効果的なプレーを見せた。
考えてみれば チーム全体が山口のプレーと同調していたように思います。
それが ボランチの質=山口の質=横浜FCの質 という事ではないでしょうか。
他にも 昨年好成績を残したチームを挙げれば
ジェフの阿部&佐藤 運動量。ガンバの遠藤 ミドルパス。レッズの長谷部攻撃力。
それぞれ持ち味は違いますが
やはり個人の質とチームの質が合致しているように思います。
そう考えると ボランチというポジション。
単に選手能力が優れてるだけではダメなんじゃないだろうか?
優れている上で チームとしての適正 が必要なんじゃないだろうか?
そう思います。
そしてコンサドーレ この5試合 どうにもチームが噛み合ってない印象があって
ジレている選手もいれば ゆっくりボールを回している選手もいる。
攻撃が単調に見えるのも 緩急のタイミングが合ってないからではないでしょうか。
どのタイミングでポゼッションを優先するのか?
どのタイミングでカウンターを仕掛けるのか?
それを決める人間がいない。イニシアチブがはっきりしていない。
この辺りが 大きな問題のように思えます。
この2年は良くも悪くも砂川が全てでした。そこへ西谷が加わった。
そして今年 大塚の加入により
またもイニシアチブの所在が不明になっているように思います。
本来なら今年 鈴木が軸になってもよかったはずで。
基より攻撃的センス 鳥瞰的視野はある上で
この2年間は守備を強化させたのですから 下準備は十分だったはず
ですが 大塚の加入で 鈴木に甘えのようなものが見えるんですね
キャリアも能力も上の選手ですから そうなるのも分からなくはないですが
それがかえって 互いに遠慮し合い プレーが小さくなってるように思えます。
今季は砂川も西谷もスタメンを確約されていません
となれば 必然的に大塚がイニシアチブを執ることになるのですが
大塚自身はイニチアシブを握っていません。
自分が中心点になる といった気持ちは薄いように思います。
この辺りのすれ違いが 噛み合ってない原因のように思います。
そして どうしても気に掛かるのが 大塚の質。
彼の質が 今のコンサドーレがやろうとしているサッカーに合っているか?という事。
先にも書いたように ボランチの質は非常に重要な事に思います。
大塚の特性がまだ分からないのですが 良い選手である事に違いはありません。
ですが 今コンサドーレに必要なボランチの質は
クレバーさであり 視野であり 意思統一を図るイニシアチブではないでしょうか。
FKが蹴れなくてもいいし ミドルも重要ではありません
必要なのは 的確なポジショニングと 的確な振り分け それに思考力です
もし大塚にそれらの資質があったなら 今のような噛み合わない状態には
ならなかったのではと思います。
全ては憶測の話しで 大塚が原因と言うのも ちょっと厳しい話しですが
どうにも気になるんですよね チームの噛み合わなさの原因が。
ただ 負けた原因ははっきりしてますよ。決定力がないんですから。
1失点はどこだってある事ですし ミスも別段 珍しい事でもないわけですから
そう尾を引く問題じゃないと思うんですね。
それより 昨日のように 悪くない けど 上手くいってない っていうのは
結構根が深い問題なんじゃないでしょうか。
ボランチは ただ中盤に位置する選手にあらず 全てを担う者なり。