一番に思うのは この選手 自分のことを分かってないんじゃないかと。
まずプレーについてですが
あの得点はもう素晴らしいとしか言いようがありません。
ハーフウェイで受けたボールが 得点になるんですから
あれが出来るなら これから何点取れるんだろうか と期待しました。
あの得点でも分かるように フッキ自体の特長はスピード。
トリッキーなドリブルでもなければ シュートが抜群に上手いわけでもない
裏に抜けたボールをスピードで振り切り シュートなりラストパスなりがある
それが彼の特長なのですが フッキ自体は足下でボールを貰いたがっている
この辺りも 自分の特長と実際のプレーには隔たりがあるように思います。
そして 足下で貰うのならば 一旦 誰かに預けて
次にスピードを活かせばいいのですが
そうではなく 自分でドリブルに入ります
そうなれば相手としては 割と楽でしょうね 特長を活かしてないんですから
タイトに寄せておけば トリッキーなこともそうないですし 奪う事は出来ます
それでまた 寄せを繰り返す事によって キレることもありますから
先日のような退場があるわけです。
フッキの処分がどうなるかはまったく分からないのですが
もし次もあるなら まずは自分の特長を理解してほしい
今の足下で貰いたがる癖がある限り 退場はなくならないでしょうし
何より 自分の長所が活かし切れない勿体なさがあります。
で 退場の場面ですが
現地で見る限り あれは間違いなく退場でいいです。
テレビには映ってなかったと思いますが 一枚目のイエローが出た時
もの凄い勢いで審判に詰め寄っていました。ただでさえ迫力がある選手
それがあの突進ですから 審判には暴力に思えますよ。
最初のイエローも結構な勢いの抗議でしたから 多少は仕方のないところ
さらに言えば 後半の中頃 一度相手選手と縺れた時 報復もありました
その辺りの蓄積もあったイエローです。やっぱり本人の責任は大きいですよ。
ただ フッキのイライラは審判にだけじゃなかったかと思います。
勿論 相手の激しいチャージもあるでしょうし 自分のプレーにもあるでしょう
ただ それだけじゃなく コンサドーレの選手に向けた不満もあるように思います
例えばパス。そこではなくこっちだったらとか。ゴール前良い状態で来なかったり。
例えば明らかなファールを取ってくれなかった時
それに対して誰もフォローに行ってない。
一人で不満を抱えたまま 次のプレーに移っている。
そうした 誰でも持つ不満を フッキは上手く解消出来ないんでしょうね。
試合中もしばらく不満を引きずってる姿が見られます。
こういったことをこの数ヶ月繰り返してきたわけですから
チーム内のフッキに対する信頼は崩壊しかけてるような気がします。
あの退場シーンの時 誰もフッキに近付くこともなく 一人下がって行く姿
何かチーム内一部が崩壊していくように見えました。
あれが今回の函館で 一番 切なく思った出来事です。
何か出来なかったんだろうか。せめて気持ちだけでも助けるような何かを。
そんな憤りが心の中いっぱいになりました。
同じような気持ちを持ったことがあります。
2年前の夏。新居のあの事故の時。
それ自体は本人の責任としか言いようがありません
ただ あの時 他の選手たち 特にベテランの選手が
普段からプロとしての姿勢みたいなものを与えられなかったのか ということ。
あの事故の数日後 宮の沢でサテライトの試合があり見に行きました
その時 ピッチの脇で 佐藤尽がケガのリハビリをやっていたのですが
その姿を見ながら 「尽 おまえがちゃんとやっていれば」 と
怒りに似た感情があったのを憶えています。
もちろん 尽の責任ではないし 彼が負うものでもないのでしょう
それでも プロの先輩として 人の先輩として 新居に影響を与えていてほしかった
佐藤尽にはそういう大きさとか頼もしさを感じていましたから。
ただそれが出来ていなかった。起こった出来事よりも
そういったチーム内での隙間が見えたことが残念でした。
あの時は チーム内でのリーダー もしくは兄貴のような存在がいなかった
そしてそれは今も改善されていない。それが問題のように思います。
いてもダメだったなら それは本当に個人の問題です
だが 前例があって それでも改善されないのは チームの問題ではないでしょうか
フッキに限らず 精神的に限界な選手がいれば 手当てをする選手は必要不可欠で
それは一般の社会でも同じでしょう そうしなければ組織ではないわけです
サッカーが上手になるだけでは チームが強くなるとは思えません
チームとして 組織として強くなってほしい。そのためのリーダー。
誰がそれをやるのか?これもまた早急な課題ではないでしょうか。
個人的には フッキは使うべきではない と思います。
言葉が矛盾するようですが チームの成長のためにそうすべきだと思います。
コンサドーレはまだ作られている途中段階なわけで
出来るだけ混乱のないようシンプルにチーム作りを行なう必要があります
常に退場と隣り合わせの選手がいては 必要以上に負荷が掛る選手が出てしまう
例えばキャプテンやベテランの選手は 常にフッキの状態も気にしなければならない
それはいずれプレーや チームの成長度合いにも影響が出てしまうでしょう
そういった懸念が取り払われない限り 使うべきではないと思います。
先にも書いたように チーム内に正しいリーダーがいれば
それに越した事はないのですが。
それと 良いプレイヤーだから問題があっても使う となってほしくない。
柳下監督の起用では 勤勉な選手を優先的に使う と言った印象があります
例えば シーズン当初の和波。DFのオーバーラップという意図はあるのでしょうが
それよりも大きな理由は「勤勉さ」ではないでしょうか。そう解釈しています。
だとすれば それと同じ尺度で他の選手も見るべきだと。
全ての選手を均等な物差しで計って
初めて競争心が生まれるんじゃないでしょうか。
そんなことも含めて フッキは使うべきではない と思っています。
何より あの退場していく姿。
他の10人と フッキの間に出来た 溝。
それは 傍で見ているよりもずっと大きなものではないかと思います。
ああいう切なくなるシーンは 二度と見たくないですね。
フッキをどうするのか。
フッキは変わるのか。
フッキを救うことは出来るのか。
チームにリーダーは生まれるのか。
そして 強くなるためには 何が最善の方法か。
時として 怒りは良いエネルギーに変わります。
怒ること自体はあってもいい。悔しさをエネルギーに変え次の力へ移せれば。
彼がもう一度ピッチに立った時 今まで以上の厳しい目が向けられる。
挑発もある。侮辱もある。それでもやれるなら 戦ってほしい。
自分の弱点と戦うことが一番困難なこと。
それを理解し 戦い 強く成長してほしいと 思っています。
僕らが出来る事はほとんどないのですが
正しく 強く なってくれることを願うばかりです。