むかしむかし 三匹の子ぶたがいました
ある日 三匹の子ぶたたちは 自分で生きるため 家を出たのです
長男は町の近く 次男は少し北の方へ
三男は山の向う ずっとずっと北の 人里離れた所で家を建てました。
長男は上等なワラをいっぱい買ってきて
あっという間に 立派なワラの家を作りました。
と そこへ トントン トントン
ドアを叩く音がします
そーっと見てみると
オオカミではありませんか!
オオカミは ドアの向うで こう言います
「子ぶた君 子ぶた君 このドアを開けてくれないか?」
子ぶたは慌てて 言い返します
「いやだよ!絶対 開けない!太陽が無くなったって 絶対開けない!」
「ほ ほぉ そうかい じゃ この家を吹き飛ばすまでだ!」
オオカミはそう言うと スゥゥー 大きく息を吸い込んだ
ビュゥゥゥーーーーー
長男のワラの家は あっというまに吹き飛んでしまった。
「た たすけてー!!!」
一目散に 次男の家へ逃げ込んだ
次男の家は上等な木で建てた家
少し時間はかかったけど ワラの家より立派に出来ました
長男 「ふ~ ここなら安心だ」
次男 「オオカミなんか へっちゃらだ!」
オオカミ 「おーい 子ぶた君たち ここを開けておくれ」
次男 「いやだ!絶対開けないよ!天の川が落ちてきたって開けないよ!」
オオカミ 「そうかい それじゃ この家を焼くまでだ!」
オオカミは そう言うとマッチで火をつけました
すると 木で出来た次男の家は あっという間に燃えてしまいました。
長男 「た たすけて~」
次男 「遠いけど 三男の所へ逃げよう」
オオカミ 「まて~!!」
その頃 三男の家は まだ建てている途中でした
レンガを拾ってきては積み上げ 拾ってきては積み上げる
とても とても 時間がかかる作業です
それでも三男は 一生懸命 レンガを積み上げていきます。
と その時 遠くから 声が聞こえてきます
「たすけて~ たすけてくれ~」
よくよく見ると 二匹の兄ではないですか
三男 「ど どうしたの?」
長男 「オ オオカミ… オオカミが!!」
次男 「早く 家に入れてくれ!」
三男 「ええっ! それはタイヘンだ! 急がなくっちゃ!」
長男 「なにー!まだ 建ててないのか?」
次男 「なにやってんだよ! 急げよ!」
三男 「うん 急いで建てるよ 待っててね」
三男は 猛スピードでレンガの家を建てました
そして ようやく完成。三匹は急いで家の中へ非難しました。
長男 「大丈夫かな…」
次男 「ここも壊されないかな…」
家の中に入っても 二匹はガタガタと震えていました
三男 「大丈夫だよ きっと大丈夫だよ」
トントン トントン
ドアを叩く音が聞こえます やはり オオカミです
オオカミ 「ここを開けろ!もうあきらめろ!」
長男 「怖いよ~!」 次男「助けて~!」
三男 「絶対 開けないよ!どんなことがあったってあきらめない!」
三男が力強く言うと オオカミはますます本気になった
オオカミ 「それじゃ この家も 吹き飛ばしてやる!」
そう言うと さっきよりももっと大きく 息を吸い込んだ
ビュウウゥゥゥーーーーーー!
台風のような 強烈な風
だが レンガの家はビクともしない。
オオカミ 「ゼェ…ゼェ… くそー! それじゃ 燃やしてやる!」
シュポ 火をつけた
だが レンガの家は平気だった。
オオカミ 「ムム… チクショウ …どうしたらいいんだ…」
どんなことをしても ビクともしないレンガの家
オオカミ 「ハァ…ハァ…ハァ…」
オオカミは ヘトヘトに疲れ あきらめて帰っていった。
長男 「やった~!」
次男 「オオカミのヤツ 帰ったぞ!」
三男 「助かった~」
“「三匹の子ぶた」 多少時間は掛かろうとも
地道に積み重ねたものは そう簡単に壊れない
そういった教訓がこの物語の中にあります
まさに 某チームと一緒ですね。
そう信じていきたいと思います。
ところで この「三匹の子ぶた」に続きがあるのをご存知でしょうか?
物語は意外な方向へと進んで行きます
では 続きをご覧下さい”
オオカミが去ってから 一週間が過ぎた。
長男 「オオカミのヤツ もう来ないよな」
次男 「大丈夫 だと 思うけど…」
三男 「うん まだ 気をつけた方がいいよね」
トントン トントン
長男 「だ 誰だ?」
次男 「ま また オオカミ?」
三男 「だ 誰ですか?」
「ワシだ 」
長男 「ん!その声は!」
次男 「もしかして」
三男 「お おじさん? 紅のおじさん!」
三男は急いでドアを開けた
「よう 元気にしてたか?」
長男 「紅のおじさん どうしたの!」
紅のおじさん 「おまえ達が心配になってな ちょっと様子を見に来たわけさ」
紅のおじさんの訪問に 三匹の子ぶたたちは大喜びした
そして オオカミが襲ってきたこと レンガの家で退治したことを話した
紅のおじさん 「そうか そうか そりゃタイヘンだったな」
長男 「でもさ この家なら頑丈だから 大丈夫さ!」
紅のおじさん 「…ところで おまえ達は いつまで ここに隠れてるんだ?」
長男・次男・三男 「ん?ん…?」
三匹は 紅のおじさんの言葉の意味が分からなかった。
長男 「おじさん それは どういう意味なの?」
紅のおじさん 「そうか 分からんか… じゃ 外を見てみなさい」
三匹は 言われるままに外を見た
次男 「あぁっ!オオカミ!」
紅のおじさん 「そうじゃ アイツはああやって あきらめる事なく狙ってる」
長男 「でも このレンガの家は 絶対 壊れないよ」
紅のおじさん 「そうだな それでもアイツは あきらめないだろうな」
次男 「ええぇー どうしたら いいの?」
紅のおじさん 「…さぁな どうするべきかな?」
長男 「そんなの簡単だよ ドアを開けなきゃいいんだよ」
三男 「……そう なのかな…」
次男 「何だよ 何か言いたいのかよ」
三男 「いや… だって このままだと…」
紅のおじさん 「そうじゃ このままだと おまえ達も ずっと外へ出られないんだ」
次男 「ええぇー!そんなの嫌だよ!」
長男 「…じゃ …じゃぁ どうしたら…」
「
あのドアを出て 戦え」
長男 「ええぇ!!!
次男 「怖いよ!!」
三男 「 うん」
長男・次男 「…… 戦うしか…ないか」
紅のおじさん 「そうだな」
三男 「おじさん ひとつ聞いていい?」
紅のおじさん 「ああ」
三男 「オオカミは 何であきらめてくれないの?」
紅のおじさん 「それは 生きるためさ」
三男 「それじゃ 僕らは何で戦うの?」
紅のおじさん 「それも 生きるためさ」
「じゃ 行ってこい!」
三匹の子ぶたは
ドアの向うへ 飛び出した。