昨日未明に行なわれたアジアカップ一次予選
日本vsサウジアラビア 0-1
結果は残念ながら オシムジャパン初黒星となった。
決定機は多かったものの やはり相手は中東の雄
その強固な壁を打ち破ることはできなかった。
「運動量」という意味では 確かに相手を上回っていた
気温の高さ アウェイでの戦いがまだ不慣れな選手の多い中
サウジを相手に健闘したと言えるが 組織としての働きはまだまだ未熟だ。
運動量の多さも そのほとんどは守備でのもので
後手に回りつつも 追い掛け回す といった消費の仕方だった。
これから経験を積みながら 整備し 無駄を無くして行かなければならない。
がしかし この敗戦 決してネガティブに捉えるものではない。
今は一つ一つ作り上げるために こういった敗戦は教材になる
ましてサウジとの対戦で出た課題ならば 今後の大きな修正材料となる。
その課題さえ明確に出来れば この敗戦は 結果 正解と言える。
だが 問題は その課題を克服できるかどうかだ…
オシムジャパン 初アウェイとなったこの試合
我那覇や羽生など 初の代表アウェイ戦を体験した選手が数名いるが
彼らに緊張した様子はさほど感じられなかった。
アウェイ 特に中東の場合 独特な雰囲気がスタジアムにある
その中で平静を保ち やるべきことをやった選手には拍手を送りたい。
だが その本心は 自分の姿を 他国に いや世界中に晒(さら)すことの
怖さを 身を以って知ったのではないだろうか。
いや それは選手だけではない。画面を通しながら 私もある恐怖に苛まれた。
もしかすると 日本の弱点を露呈してしまったのではないか と
それも克服不可能な 致命的と言える弱点ではないかと。
まずは この方をご覧下さい。
【フローラン・ダバディ】 florent dabadie
98~02 トルシェジャパン 日本代表通訳
次に この方
【鈴木國弘】 suszuki kunihiro
03~06 ジーコジャパン 日本代表通訳
ここまでは ギリギリ 良しとしよう。
では 最後に この方を。
【千田善】 tida zen
06~ オシムジャパン 日本代表通訳
これを危機と言わずして 何と呼ぶのだろうか。
まさに 最初にして 最大の危機である。
いや もう何も言うまい。何がどう危機なのかは。
だが ひとつこの方の名誉のため知らせておこう。
千田善 (ちだ ぜん 1958年 岩手県生まれ)
HP
県立水沢高校-東大教養学部-ベオグラード大学政治学部大学院
その後 セルビア・スロベニアに住み 民族紛争・国際政治を取材する。
という歴としたジャーナリストである。これは意外だった。
サッカーと関連したのは 高校時代サッカー部に所属したというもの。
オシムは これまで数人の通訳を試したらしい。
がしかし 今ひとつ 真意が伝わらず もどかしい思いをしたという
サッカーに関したことだけではなく その心情まで訳せるのは
こういった経歴があってこその 千田氏 起用ではないだろうか。
深い。実に奥が深い。 オシムは…いや サッカーは。
4年後 全てが終わった時
この 千田氏にインタビューをしてもらいたい。
きっと氏は こう答えるだろう。
これでいいのだ。