しかし こんなにいるものか 代表ユニ。
ドームに行って まず驚いたのは代表ユニの着用率。
7割ぐらいの人が Tシャツなり レプリカなりの代表的な何かを着ている
以前 映画「GOAL」の試写会に行った時も思ったのだが
北海道のサッカーファンは意外に多いのではないかと思う。
無論 チケットは全国販売だから 全国から集まった客だが
少なく考えても 4万の半数は北海道の人だろう
にもかかわらず コンサドーレには客数が減少している
「サッカーに興味はあるがコンサは見ない」的な人たちなのか
「代表だから楽しそう」的な ニワカ様たちなのか その割合は分からないが
どちらにせよ この潜在能力をコンサドーレが活かしきれてないのが勿体ない。
熱烈な方には このニワカ様を快く思わない人が多いが
客は客。結局のところ プロの試合は客を多く呼んだ方が勝ちなのだ。
熱の高さは関係ないと言っていい。
ただ 代表選手の名前も知らないニワカ様が
コーナー真上・最前列に座るのは いかがなものかと思う。
そんなニワカ様に一言 申し上げたい
「謝れ!今すぐ 来れなかった人たちに 謝れ!」と。
今回のサウジ戦 一緒に行ったのはkazua・U子・ルンバ と友人Aの4人。
kazua・U子・ルンバの3人は サッカー全般において「熱烈」な方だ。
問題なのは 友人A。 まさに「ニワカ様」を象徴するような人物で
コンサの試合は過去に2度ほど 後はテレビの試合もほとんど見ない輩である。
そんな友人Aが なぜかこのサウジ戦に限っては 燃えていた。
あれは今年の8月 友人Aと会った時 かなり熱っぽく こう言った
「kazuaさん!11月に代表戦あるんでしょ!取って!チケット取って!」と。
普段は興味を示さないサッカーの話を この時だけは力が入っていた
だが チケットの発売がなかなか発表されず もどかしい思いをしていたが
先月 よくやくチケットが発売され 約束を果すことが出来たのだ。
そして当日。pm5:00に友人Aと合流し タクシーでドームに向かった。
3ヶ月の時を経て果した約束だ。熱は冷めてしまったか 更に上がったか
その辺の 今のモチベーションがどうなのか気になった
そこで 探りを入れるため ひとつ質問をしてみた
kazua 「ところでさ 代表選手の名前知ってる?」
これはサッカーファン 及び 今から代表戦を観に行く人間には 失礼な質問だ。
熱烈な方に聞いたならば 「無礼者」呼ばわりされてもおかしくない。
「バカ野郎!出身高校も選手権の活躍も知ってるワイ!」ぐらい言われるだろう
がしかし 友人Aは完全なニワカ様だ。多少の不安が その質問をさせた
そして 驚くべき答えが返ってきた。
友人A 「知ってるよ 巻でしょ それと…
ガナミ!」
我が耳を 疑った。 きっと聞き間違いだ。
もう一度 聞いてみた。
kazua 「…? まき と 誰?… 」
友人A 「ガナミ!」
完全に言い切った。
やっぱりか やっぱり そうか…。
期待を裏切らない あっち側の人だった。
kazua 「私の脳内サッカー名鑑によりますと
ガナミ という選手は Jリーガーに存在しないのですが…」
友人A 「 えっ!マジで! 沖縄のさ 選手でさ あれ?いなかった?」
kazua 「…ええ 川崎Fに 我那覇 という選手は在籍しておりますが…」
友人A 「あー!! それそれ ギャーハハハ!」
しかし どこから出てきたのだろう ガナミという名前
和波を知るはずもない 名波を覚えてることもない そんな友人Aが
どこから ガナ「
ミ」の
ミの字を持ってきたのか?
いささか不思議ではあったが 取り合えず 私が言ったのは
「降りてくれ 今すぐ このタクシーから降りてくれ」 だった。
今回の代表戦 チケットの売れ行きは 即完売ではなかったらしい。
確かに 両チーム予選突破を決めていて 消化試合ではあった
がしかし 予選唯一負けている相手 それも宿敵サウジである
今後の事を含めても やはり「負けられない試合」であることに違いない。
激安のファミリーチケットなど 買えなかった人は大勢いたはずだ
そんな競争の中で 勝ち取ったのが「ガナミ」だ。
こういう輩が 多くの悔し涙の上に立っているのだ。
しかもだ。「チケットを取れ」と言った本人だ。それも3ヶ月も前にだ。
キサマはこの3ヶ月何をしてたんだ! 覚えれたのは 巻 一人ではないか!
2人しか覚えないで その内1人 ガナミ 誰だそれ!
降りろ タクシーから降りろ キサマにドームに行く 資格はない!
ハァハァ… すいません 取り乱しました
僅か7分ほどのタクシーの中 取り乱すにいいだけ取り乱した。
サッカーを熱く愛する男の 嘆きと怒りが爆発したのだ。
だが 友人Aは ガハハと笑うだけで まったく効いていなかった。
すでに疲労困憊しつつ ドームに着く。
先に到着していたルンバ氏と連絡を取り 座席を探した。
アウェイ側 コーナー真上 最前列だった。
友人Aはいたく感激し
友人A 「うわー こんな近くで見れるんだ!」 と言った。
キサマ その席を誰かに譲れ!せめて選手の名前ぐらい知ってる人に譲れ!
またもや熱くほとばしる思いのたけを このニワカ様にぶつけた。
がしかし そのエネルギーの放出は何の役にも立たない事は分かっていた
いいのだ。選手の名前を知ろうが知るまいが 目の前の事を楽しめればいいのだ。
ニワカであろうが 熱烈であろうが サッカーは楽しんだ者が勝ちだ。
いや それはサッカーだけではない。趣味・遊び 仕事だって生活だって
目の前の出来事を楽しめれば それでいいのだ。
ニワカと言う正体不明な衆は 決して軽んじられるものではない。
彼ら 彼女らの 力がなければ ビジネスは成り立たない。
いかにして興味を持たせるのか 楽しませるのか 足を運ばせるのか
そこをたくさん考えてほしい。狭く深くではない。広く浅くが必要なのだ。
友人Aは 「楽しかった」と言った。
来年もあれば 来年も来るだろう。いや 来週でも来るだろう。
少しずつ名前を覚え 選手を知り 熱は高くなって行くだろう。
「楽しかった」 それが全てなのだ。
名前を間違えられた我那覇。そして活躍した我那覇。
それは偶然のようで 偶然ではない。
次へと続くキーワードになったのだ。
その日 2得点の活躍をした 我那覇。
湧き上がるスタジアム。叫ばれる我那覇の名前。
だが コーナー最前列の一団だけは
「ガ・ナ・ミ! ガ・ナ・ミ!」と
いるはずもない選手のコールが響いた。
我那覇は頑張った。
2得点は両方とも素晴らしいゴールだった。
だが もっと頑張れ。もっと頑張って 名前を覚えてもらえ。
その名前を ヤツの脳裏に刻み込ませろ!