ただ必死にしがみついてたら、 君が目の前に現れた。
ポルノグラフィティの 「ハネウマライダー」 という曲をご存知でしょうか。
今年の春から夏にかけて「ポカリスエット」のCMに使われたこともあって
聞けば「あれか」と思い出す人もいるかと思います。
この曲を始めて全部聞いたのは
今年8月 静岡・浜名湖畔で行なわれた 「ロックフェス・夢人島」だった。
と言っても 現地に行ったわけではなく WOWOWで見ただけだったが。
ただ 画面を通してでもポルノグラフィティの迫力や 懸ける意気込みが伝わり
中でも この 「ハネウマライダー」 と言う曲が
フェス自体を象徴するほどの インパクトを残した。
新たな旅立ちにMotorbike、オンボロに見えるかい?
Handoleはないけれど、曲がるつもりもない。
Brakeが軋むなら、止まるのを諦めて。
Bikeと呼べなけりゃ、名前はどうでもいい。
という歌い出しにあるように
ハンドルもない ブレーキは軋む オンボロバイクだけど
曲がるつもりもないし 止まならなきゃいい 名前も何だっていい
と自らを卑下しつつも 内なる強さと言うか 熱さを感じさせる。
多少ボロだろうが 無名だろうが 「突っ走る」気持ちが大事なのだ。
フェス 「夢人島」において ポルノグラフィティの立場は まさに無名。
いや 知名度は十分にある たが 競演するのが
サザンを始め ミスチル・GLAYといった錚々(そうそう)たる顔ぶれであり
しかも6万人という大観衆 彼らを目的に来た客は少なかったのではないだろうか。
このアウェイ的な状況で 最初に発した言葉は
「ワシらが ポルノグラフィティじゃ!」
それは 自らの存在感を示す叫びであり
ステージと客の間に出来た距離をも物語っていた。
だが曲が進むうち 6万の大観衆が引き込まれて行く
それほど 彼らの放つ 全身全霊を懸けたエネルギーは 凄まじいものがあった。
5曲 6曲と唄い 完全に大観衆を飲み込んだ彼らが
ステージの最後に出した曲 それが「ハネウマライダー」だった。
「この後もたくさんのミュージャンが出ます 皆さんは楽しんでいって下さい
でもワシらはこの曲が最後です この1曲で燃え尽きます」
曲前にそう言ったように まさに渾身の1曲だった。
彼らの突っ走る魂が 大観衆からのパワーと共鳴し
会場全てをエネルギーの塊と化した。
テレビの前でも その様子がよく分かる。
いや一緒に 吸い込まれるように 魂がステージと一体化していた。
心は、空を裂く号令を聞いた跳ね馬のように乱暴だけど、
それでも遠くまで運んでくれる。
ただ必死にしがみついてたら、君が目の前に現れた。
Hey you!このBig Machineに乗っていけよ。
歌は オンボロだけど乱暴なバイク それに乗る無鉄砲な男と 現れた女
3者が3者とも違う立場でありながら 巨大な力へ向かって突き進む
そんなイメージがある。何かそれが夢人島での彼らの立場と重なり
他のミュージシャンや大観衆に向かった叫びとも聴こえた。
巨大なものにひれ伏さず 会場を喰うような「やってやる」という
意気込みをひしひしと感じるステージだった。
曲が終わり ステージを去る彼らは まさに燃え尽きていた。
それほど渾身であり 充実していた表れと言える。
この歌 「ハネウマライダー」を聞き そのメッセージや
夢人島におけるポルノグラフィティの立場や そこで叫んだことが
今のコンサドーレに重なって思える。
天皇杯 居並ぶJ1勢の中 ただ1つのJ2。
金もなければ 知名度も低い 戦力だって敵うものではない。
ただ その中で「やってやる」という野心こそが原動力となるのだ。
分が悪かろうが 力がなかろうが 突っ走るしかない
ブレーキなど気にしなくてもいい どうせそんなもの必要はないのだ。
選手も サポーターも クラブも 皆 一緒のモーターバイクに乗り
でかい野望を持って 突き進む ただ振り落とされぬよう必死にしがみついて。
「熱さ」だけでは何も変わらないが 「熱」がなくては変わることはない。
1人でも多くの人が 少しづつの熱を重ねていけば
きっと変われる事があると思う。天皇杯はそのきっかけになれればと思う。
突っ走るエネルギーを 今一度 コンサドーレに与えたい。
僕が跨(またが)った風は、
いつも跳ね馬のように乱暴だけど、
ここに留まることを許しはしない。
Hey you!
ただ後ろでしがみついてた、
君が飛ばせと煽るのなら、
Hey you!
途中じゃ降ろしてやらないぜ。
全力で向かえば 報われる想いは 必ずある。
「ハネウマライダー」 今年聴いたNo1。 名曲である。