天は二物を与えず。
さて 今日の代表戦 いよいよもって中村俊輔の登場である。
オシムが代表監督に就任して最初の頃 選手選考に 多少の疑問があった。
と言うのも オシムの言う 「水運び役」 の重要性は分かる
が 運んだ水はどうするのか?という疑問だった。
これまでの選考だと 「運んでばっかり」という気がしないでもないのだ。
日陰の努力がある以上 日向の栄光があってしかるべき と思っていた。
そんな疑問が ある日 急に消えた。
「中村俊輔」 というキーワードが見えたからだ。
06年6月 ドイツW杯を終えた日本代表は 燃え尽きたように思えた。
中田が引退し 中澤も代表を退いた 宮本も三都主も大役を終え海外へ渡った
ワールドユースから一時代を築き 栄華を極めたメンバーが代表を退き終焉した
そして 活躍の場を それぞれの所属するチームへと移したのだ。
中でも 中村俊輔は チャンピオンズリーグ出場だけに賭け
前人未到の地を 一人 ひたすらに歩んでいた。
そんな活躍を見る度に 「もしかすると」という思いが浮かんでいた。
オシムは この男のチームを作ろうとしているのでは?と。
常に 中村俊輔を思い描き そこにいない人物を選考基準にした
8ヶ月の歳月を費やし 誰が合うのか?誰がカバーに適してるか?を見極めた
だから これまでの人選は 「水運び」が基準になったのではないだろうか?
そう思うようになってから あらゆる疑問が解けていったのだ。
この仮説が正しければ やはり中村俊輔という男 別格である。
あのオシムにして 別次元の存在感を示させる選手なのだ
トルシェに外され ジーコで燻り いよいよ主役の座が回ってきた
実に楽しみな一戦である。 そして何より 大きな事は
この抜擢が ちびっ子に多くの夢を与えてる事だ。
体が小さかろうが ユースで落とされようが 挫折を味わおうが
確かたるものがあれば 人は主役になれるのだ
そう
どんなに顔が残念であろうとも 大丈夫なのだ。
努力は必ず報われる。君のための舞台は必ずある。
中村俊輔は 身をもってそれを教えてくれているのだ。
どうか ちびっ子諸君 その勇気を継承してもらいたい。
日本最高のレフティ・コンダクターは
どんな旋律を奏でてくれるのか?
オシムジャパン in 中村俊輔。
満を持して。
今日が本当のスタートである。