なでしこ ベスト4進出!congratulations!
■五輪女子サッカー準々決勝 日本2‐0 中国
しかし女子サッカー 良いですねー。
グループリーグは硬さがあったんでどうなるか心配しましたが
試合を重ねる毎に良くなって とうとうベスト4ですよ。恐れ入りました。
完全なアウェイの中 あの堂々たる戦いっぷり。
ドリブルあり 組織の崩しあり バトルあり 怖気ない勇気も 運動量も精神力も
まさにサッカーの醍醐味が凝縮された試合だったんじゃないでしょうか。
そして澤。この人の魂やサッカー観が チームに深く注入されてます。
五輪男子が抱えていた問題に ”軸がなかった” というのがあって。
それは見る側も感じてましたし 内田が指摘したように 選手にもその意識は
あったわけです。ただ実際の所 ”じゃ誰が軸になれば良かったか” となれば
適任者がいないのも事実じゃないでしょうか。この軸系の選手っていうのは
そう簡単に出てくるもんじゃなく。持って生れた質と言うか 子供の頃から
常にプレッシャーの中で育ち 良質に成長してこそ成れるものだと思います。
で 今回の男子では 本田は確かに軸系の選手だと思いますよ。
高校時代のプレーを見ましたが 2年ながら 3年に豊田がいても チームを
支配してましたし 大胆なプレーでチャンスも多く作ってましたから。
ただ どうしても俺様系の性格が 信頼感を得られないように思いますね。
その辺が男子の難しい所なのか 少年期に認められると 天狗になってしまい
逆に伸びて無いような気がします。磯貝や石塚は その典型的な例ですね。
ただ素材的にいないわけじゃなくて 個人的には 広島の柏木は面白いですし
この前のサテライトで見た横浜の狩野も良いですよ。和製ピルロみたいで。
ただ 軸系ってのは 育ててなれるもんじゃないですね。
持って生れたものが大きく 指導者が上手く導いてやらなきゃ天狗になる
例え全部が上手く行ったとしても 他選手から信頼を得れなきゃなれない。
プレーが上手くて リーダーシップがあって 人としても信頼できる
そこまで行き着かないと 本当の軸にはなれないわけです。
そう考えると。
澤穂希。 やっぱり この選手は凄いですよ。
女子サッカーを引っ張り 女子代表を引っ張り
今や日本サッカーを引っ張っている。
代表に入って15年。出場数は130試合を越え 得点は70を越える選手。
いや凄いのは記録じゃなく ”存在感”。居る事で安心感や力強さを持ちます。
そして何よりも凄いのは ”プレーに いつも正解を持ってる” こと。
今大会はボランチで チーム全体を見てるのですが 澤から出されるボールは
ほぼ100%正解です。いつもどこに渡せばいいか分かっていて しかも正確。
例えば右サイドで受け 周りが詰ってるなら 即座に左へ出す 中央が甘いなら
前に出すか 自分で仕掛ける そういう所の判断にミスがないんですね。
こういうのは一見 普通の判断に思えるのですが ピッチ上だと平面なわけで
俯瞰的な視野を持ってなければ難しいんですね。澤にはそれがありますし
しかも逆サイドに振る場合 パスミスの恐れもあって危険なプレーにもなる
そういう所での勇気と正確な技術も必要なのですが それも澤にはある。
更にそれらを90分やり続ける精神力は もう凄いとしか言えないですね。
澤穂希は あらゆる能力・メンタル・信頼性を全て備えた 貴重な選手。
今 日本に存在する最高にして最良の 軸系選手じゃないですかね。
で この澤という選手を このまま ”良い選手” ってだけにするのは勿体ない。
何かしら “日本のサッカー界が吸収しなくていけない” と思うんですよ。
あの精神力や 存在感や 頭の天辺から爪の先 髪の毛1本に至るまで
サッカーが詰っていそうな 澤穂希という存在を 女子だけの宝じゃなくて
日本サッカーとしての宝にしなくちゃいけない と思いますね。
そう思えるぐらい 澤にサッカーを感じますね オレは。
サッカー選手は プロになって技術や能力を上げるのではなくて
ある程度の技能を持った上で プロになって 監督の戦術を習得したり
チームの中の役割を身に付けたり プレッシャーの中でも個性を出したり と
技術以外の 頭や精神力を伸ばす事に比重が大きくなるわけです。
であれば 澤の持ってる魂や サッカー観は 大きな財産だと思いますね。
俯瞰的な視野を持っていたり リスクがあっても前へ展開したり
急ぐ所 急がない所をコントロールしたり 行くべき時は自分で行く
そうした的確な状況判断と勇気。そして それらを可能にする正確な技術。
”サッカーとは こういうものだ” と言う正しい答えを持ってる澤を信頼して
日本サッカーを任せてみるのも面白いと思いますね。
数年後
ヘタレな野郎どもに渇を入れる 澤代表監督がいても
それは それで 面白いかもしれない。
これマジで。