慣れないことは するもんじゃねぇ。
”スポッチャ” って知ってます? スポッチャ。
ラウンドワンっていう複合型アミューズメント施設があって その中の一つ
スポーツを中心とした施設がスポッチャっていうらしんですよ。
バスケやミニサッカー バッティングなどあらゆるスポーツが出来るという
スポッチャ。まぁ興味のない人には 何のコッチャでしょうけど。
で このスポッチャを この前 初ポッチャしてきましてね ええ。
姪っ子が毎年バレンタインに手作りチョコをくれるのだが 今年はくれる前に
「ホワイトデーのお返しはラウンドワンね!」 って要求してきたんですね
いわゆる取り引きってやつですよ。なかなか高度な技を身につけましたよ。
で 晴れてホワイトデーの日 約束は決行されたわけだ。
姪っ子とカミさんと3人揃っての初ポッチャは 見るもの全部「面白そう!」
って やってみたくなるのですが 時間は3時間パックという限りがあるし
なんせこっちは おじさんとおばさんだから体力の心配があるわけだ なので
こりゃ配分考えないとダメなと思いつつ 決めましたよ 最初に何やるかを。
ローラースケート
このスポッチャ 遊ぶ種類は豊富だが 中でもメインはローラースケート。
まずは このローラーなスケートに挑戦したってわけですよ。 無謀にもね。
1周が40~50mのフロアと 横には道具一式があって そこでスケートやら
防具を身に付けるんですね。ただ色いろあるんだけど 初スポッチャだから
何付けていいのか分からないんですよ。で これかなとかあれかななんて
モタモタしてたら 店のお姉さんが来て教えてくれましたね
「ヒジと手は 防具をつけた方がいいですよ」
ご親切にどうもなんて思いつつも その言い方が 何だかちょっと怖い。
だって この防具 明らかにケガ防止のためでしょ。お姉さんのニュアンスは
“防具つけなかったら痛い目に遭うよ” という香りがして緊張しましたね。
ただ 一応 言っとくけど こっちは素人じゃない。スポッチャは初めてだけど
ローラースケートに関しては 全然 経験者。 スイスイ スイ~って滑れますよ
と言っても あれですよ 昔も昔 光GENJIなんて新しい方 東京ボンバーズだ
知ってっか若者よ 東京ボンバーズ。 1周したら脇クイクイ~って。古いな。
でまぁ その頃 流行った経験を頼りに ローラーを履いたわけですよ。
そして ツツツー っと滑る。
これが怖い。自分が指令を出してないのに いきなり動くわけだ 足だけが。
これ 想像以上に焦りますよ。でも姪っ子の手前 ビビった姿は見せられない
で 一応 ビッっと立って フロアまでスイィ~と出た と。お 意外とイケる。
最初はへっぴりーだったけど そこはボンバーズ世代だから ちょっとすると
まともに滑れるようになったわけですよ。で まだモタモタ防具付けてる
姪っ子に ”早く来いよ” みたいなジャスチャーしたりして。
ただ こういう余裕はいけないね。次の瞬間 勝手に足だけが動き出す そして
デーン! ケツから転んだ。
でまたそれが もうジンジョーじゃない痛さ。ウソだろって思いましたもん。
よくマンガで目から星がチカチカって出るのがありますよね あれですよ。
恥ずかしーと思いつつも フロアには誰も滑ってなくて オレ一人だったから
良かったんだけど チラッとカミさん見たら ニヤニヤしておられました
そんなカミさんは「私 絶対 滑らない」ってベンチにおられましたけどね。
で ようやく姪っ子も出てきて 姪っ子は初ローラースケートだったんだけど
普通のスケートは得意だったから すぐに滑れたわけ。それも結構ちゃんと。
でもやっぱ油断するわけだ そして姪っ子も初デーン!だ。勢いよく転んだ。
転びではオレの方が先輩だから その痛さはよく分かるんだな。フフフ。
オレも姪っ子も かなり痛がりつつ まぁ楽しく滑ってたわけですよ。
そんな所へ 一人のおっさんが出てきた。 ローラー履いて。
このおじさん 歳は四十半ばかなぁ 見た目で言うと 何だろ?例えるなら
“朝7時ぐらいに立飲み屋から出てくるようなおじさん” かな。そんな感じの
明らかにスポーツとは縁遠いタイプのおじさんがフロアに登場したわけだ。
で 登場からすでにヘッピリな腰つきだから 実力は察しはついたんだけど
それでもズズ…ズズズ…と前へ進む。それが何か勇者だなーと見てましたよ
だって 絶対 初心者でしょ。なのに いきなりフロアに出る。勇者ですよ。
ただね どう見たって ローラーやっちゃいけない部類の人なわけだから
”大丈夫かなぁ” って心配しましたね。まぁオレも他人の事 心配出来るほど
余裕があるわけじゃないから 自分の事でいっぱいいっぱいだったわけだ
と 次の瞬間 ゴロゴロゴローー!って音がした。
なんだろ?と思って振り返ると
おじさんが宙に浮いてた
それも真横に。
そして
そのまま後ろに デーン!
さらに
後頭部 ドーン!!!!!
完全に見たね。見ちゃったね。
人が後頭部 打ちつける所を。
ハンパじゃない音と 仰向けのおじさん 転がるヘルメット。
怖かったー。いや怖いなんてもんじゃないですよ。
オレも姪っ子も 転んだけどケツからだったし
だけど 今 目の前で起きたのは そんな甘いもんじゃない
事故よ。事故。
しかも おじさん仰向けに寝たまんま起き上がらない。
オレも姪っ子も急いで近くに行こうとしたんだけど スピードは出せない。
だってスピード出すとコントロール出来ないし 止まんないし ヘタしたら
こっちまで事故に巻き込まれて 二次災害起こす危険性があるからね。
で それなりのスピードでおじさんに近づいた。マジに大丈夫かと思いつつ。
そしたら おじさん 急に起きた。
いやビックリよ。完全に後頭部打ってたから 救急車ものかなと思ってたら
急に起きるんだもの。まぁ人間って結構 丈夫だなーっと思いましたね。
で 大丈夫なら心配いらない と思って こっちはまた滑り出したんですが
おじさんの方を見るとどうやら仲間がいたようで おじさんの友達もこれまた
”朝8時半に立飲み屋から追い出されてそうな人” で 2人が何やら話してる
何話してたのか聞こえなかったけど 多分レクチャーしてたんじゃないかな。
想像するに 後頭部デーン!のおじさんは 朝8のおじさんに言うわけですよ
「おい! ローラー 甘くみるんじゃねぇ!」と。
で「素人にゃ素人なりの遊び方があんだよ!」って教えたんじゃないかと。
すると話し合いを終えた2人は フロアの壁に密着したまんま滑ってました。
いや正確には滑るってより 壁に張り付きながらちょっとづつ移動って感じで
しかも後頭部デーン!のおじさんは 心も体も完全に折れちゃってるから
ジンジョーじゃない腰の曲がり方とスピード。ほぼ90度でローラーですよ。
ボンバーズ世代のはずなのに 全然ボンバーしないスタイルでしたね。
そんなおじさんが可笑しいけど こっちは目の前で事故ってるの見てるから
笑えないわけだ。姪っ子なんか 慌ててヘルメット付けに行きましたからね。
で おじさん方は壁伝いに1周 回って ようやくフロア出入り口に辿り着いて
帰って行きましたよ。帰って行く時に ちらっと顔を見たのですが
なぜか 満足げな顔。あんな事故 起こしたのに。
やっぱり 慣れないことする時は 気をつけなきゃいけませんね。
こんなの簡単だろとか 昔やったことあるとか そんな余裕が事故を招く。
慣れない事する時は 細心の注意を払って 勇気を持って 撤退すべき。
そんな教訓になりました。 まぁ僕らはケガなく 楽しみましたけどね。
皆さんも 慣れない事する時は どうかお気をつけて。
人は 簡単に宙に浮きませんよ。