あなたは スタジアムで 冷静ですか? それとも 取り乱しますか?
先日のドームでの鳥栖戦 カミさんとU自由に座ったのですが。
4万のハコに1万を切る入場者数なもんだから これ 正直 スカスカな感じでして
しかも U自由は今シーズンから設定されたメインスタンド上段のエリアで
ここの定住民は まだごく少数派なんですね。だもんで 1列1組状態なわけ。
まー実に涼し気と言うか。 危うく 心まで涼しくなるところでしたよ。
ただ そんな席でも 熱い人は いるもんで。私らの7~8席前でしょうか 青年が座って
ましてね。このお兄さん 静かに観戦してたんですけど 後半 キリノがゴールした時は
もんの凄いハシャギっぷりで。ガッっと立ち上がって 手に持ったタオルをグルグルと
いつまでも回してました。背中しか見えないんですけど その嬉しさが分りましたよ。
せっかくスタジアムまで来たんだから 喜べる時は ガッツリ喜ばないと ね。
「スタジアムは 非日常的なもの」 それが自論でして。
いつもと違う自分を そこで解放する って作用があると思うんですね
普段は至って温厚な人が ゴール裏行くと スーパーエキサイティングマンに変貌する
なんて人も結構 多いんじゃないでしょうか。まぁ 「だから 止められない」 って事も
あるかと思います。ただ中には違う方向にエキサイトする人もいるわけで アチコチに
生息する野次オヤジなんかも その部類でしょうね。そういう いつもと違うオレを
解放するのは どうかと思いますが まぁ気持ちは分らなくもない ですよ。
サッカーが好きだったり チームが好きだったりして スタジアムへ来るんだけど どうも
今ひとつ ちゃんとやってくれない。愛あるゆえに むかっ腹も立つ ってやつっすね
一応は我慢して堪えるんだけど それでも飛び出てくる叫び それがあの野次おやじ
の叫びじゃないでしょうか。おじさんは日頃のウップンまで溜まっちゃってるからね。
今年の開幕戦にも まさにそんなおじさんがおりまして。
試合は非常に面白い内容で 慎重な仙台に対し 果敢に攻める札幌 と石崎コンサの
お披露目の試合としては かなりサポーターの心を掴むゲームでした。
で 1点ビハインドの終盤 藤田がボールを持ちましてね 良いドリブルをしたんですよ
で 1人か2人を抜いたら前が開いた!と。で いざシュート!って時に パスを出した
んですね。しかも そのパスが通らなかったりして。
こうなると一瞬の内に 激高する人がいるわけだ。
自分たちの周りあっちもこっちも 「なんで シュート 打たんのじゃーー!」 つって
まぁ叫ぶ叫ぶ。かくいうオレも叫びましたね。で 中でも ちょいキレ気味のおじさんが
いましてね 斜め前の席の人だったんですけど そのおじさんも 瞬間に立ち上がって
「なんでパスよ!」って叫んでましたね。ただ その一言だけ言って すぐに落ち着きを
取り戻したのか 座ったんですよ。ところがだ 一旦 座って 5秒後 また叫んだ!
「藤田!だから お前は ◎×△△××◎んだーーー!」
って 途中から何ってんだか全然 わかんないこと 叫んでました。
それが何か可笑しくてね。だって おじさん 一瞬 腹立って叫んだわけですよ
で 一応は それで治めたと。だけど どーーしても 納得がいかなかったんだね
一回は冷静になって ただ悪いってんじゃなくて 何がどう悪かったか考えたんだね
激高から冷静まで その間 3秒。で 冷静になって色々考えたと それが2秒。
でも やっぱり納得デキネー!つって 5秒後に また叫んだ と。
しかも その言い方が 前向かず ちょっと下向いて叫んだわけ。アメリカ映画なら
まさに 「ガッデム!」 みたいな。それが可笑しくてさー。なんだろ あの可笑しさは。
何か素直な感じがしたんですよ。おじさんが そういう感情表現する事って そうないと
思うんですよ。会社でも家庭でも 至って普通のおじさんじゃないかと思われる人が
スタジアムでは 「いつもと違うオレ」 を表現してるわけ。
それがね イイと言うか。それでイイんじゃないか と思いましたね。
自己表現の場は色々あると思うんですよ。例えば 仕事も自己表現ですし こうした
ブログも自己表現だと思います カラオケ何かもそうですね。ただ 感情表現となると
そうそう簡単には出来ない。というか あんまりしたくないってもあるかと思います。
特に北海道の人は感情表現しないですよね。自分もそうなんだけど 無暗に気持ち
を出さないわけです。それが何でか は分からないんですけども しないですね。
でも どっかで それが解放される場所がある とすれば。
それは 「オレ 取って置きの場所」 となるわけです。そりゃー有り難い場所ですよ。
普段のしがらみもなく 己が己を解き放つ場所として スタジアムがある。
イイんじゃないでしょうか そういうの。
スタジアムの存在意義として そういうものアリだと 思います。
タオル・グルグル回して喜んだ兄ちゃんも
一回 叫んだけど 悔しくて もう一回 叫んだおじさんも
普段とは違う自分。若干 取り乱した自分 だったんじゃないか と思います。
それでも そういう ちょっと取り乱した自分は 普段 開けない箱から出てきた自分で
たまには そういう自分を 解放させてやるのもいいんじゃないでしょうか。
スタジアムでは ちょっと取り乱すぐらいが ちょうどいい。
自分を解放させるのは 気持ちがいいものです。
また喜びや 「頑張れ」 って気持ちを大きく表現すれば スタジアムの活気になります
少し空席のあるU自由も 喜びいっぱいの兄ちゃんのおかげで 一瞬 華が咲きました
そういうものが大事なんじゃないでしょうか。
人数が足りないなら 一人一人の活気で。自己表現で。
そうしてスタジアムを沸かせたいですね。
野次や愚痴は なるべく抑えて 喜びや 「頑張れ!」 って気持ちの取り乱しをどうぞ。
スタジアムでは ぜひぜひ 取り乱しちゃってください。