代表は 11人にして 11人にあらず 幾万の代表なり。
■ 日本 0-3 オランダ ■ 日本 4-3 ガーナ
この遠征をやった事は良かったと思いますね。これまで国内の試合ばかりで
強化試合と言っても 有利な上での強化で さほど意味のないものでしたから。
そういう観点で言えば 今回 取れた4点よりも 取られた6点の方が大きな意味を
持つのかなと思います。肌で感じる世界の強さとか怖さを得られた と。
ただ どうしても気になるのが 「何のための強化か?」 と言うこと。
岡田監督になってから どうも代表の試合に虚(むな)しさが残るんですね
「今 この試合やってて あとに何が残るんだろうか」 みたいな。
そう感じてしまうのは 岡田監督が 「今しか考えてない」 からじゃないかな と
思ってしまうんですよ。そりゃスクランブルで監督に就任して 「W杯のために」 と
言うのが使命ですから 考えるのは そこだけになるのは必然かもしれませんが
じゃあ我々も同じ観点でいいかったら それは違うと思うんですね。
短期的な目線じゃなく もっと長期的な目で見るべき と。
トルシェ・ジーコ・オシムと 3人の監督がやったものは サッカーの基礎であったり
日本に足りなかったものであったり 日本人に合ったものを模索してみたり と
それぞれが後に残るものを追求したと思います。ただ どれも完成しないまま
または 定着しないまま 次の監督へ代っていたわけです。その結果 日本代表の
サッカーは 「監督が代れば また一から作り直し」 を繰り返したんですね。
今回の2戦でも 1対1の脆(もろ)さと 個人での打開不足という弱点を見せましたが
それはジーコ時代に強化した部分だったはずで。 けども 欠落したままで。
そう考えると 代表の強化は分断が激しすぎますね。
手当たり次第に色んなものを取り入れる ってのは日本の良い所でもあるんですが
さすがに そのやり方もどこかで歯止めしないと いつまでたっても自分らの型が
出来ないわけであります。その歯止めを唯一出来るのが 我々なんですね。
サッカーファンであったり 代表に送り出すクラブのサポーターであったりする人達が
長期的な視野で 「こうじゃない」 とか 「もっとこうするべき」 という意見を持って
サッカーに携わって行くべきじゃないかな と思います。
代表の強化を 遠い世界の 別の誰かがやってるものとしちゃダメだと思いますね
「ウチの選手に 変なサッカーさせてんじゃねぇよ!」 ぐらいのね。
で 今の代表の話しをしますと。あまりにも短期的だと思うんですよ。
「W杯だけのための代表」 と言うか。各チームから優秀な選手を集めて 試合をする
ただそれだけに見えてならないんですね。トルシェ・ジーコ・オシムには 日本中に
波及する影響が少なからずありました。組織や個人や連動性といったものが。
じゃあ今 岡田さんのサッカーで 何か影響するものがあるか と言えば ないんですね
ないと言ったら厳しいかもしれませんが 子供たちへの影響を考えれば ほとんどない
と言えるんじゃないでしょうか。そういう事がマズいと思うんですよ。
代表のサッカーは 国中に影響してこそ 代表なわけですよ。
試合に出てる11人は 11人ではあるんだけども その後ろには 何万・何十万の
選手や子供たちやサッカーファンがいて その代表である事が 何よりも大事で。
そこを蔑(ないがし)ろにして 僅か20名弱の小さな世界で完結してしまうのなら
日本代表と言う肩書きは外さなきゃならないですよ。代表じゃないんだから。
巷では 「このままじゃW杯で1勝も出来ない」 なんて言われてますが
個人的には 勝ち負けはどうでもいいですね。そりゃ勝ってほしいですけど
日本らしさを追求して 玉砕してくれた方が まだ気持ちがいいです。
いや それよりも 「W杯は ひとつの目安」 ぐらいに思いたいものです。
岡田さんの使命は 来年でひとつ終わるけど
俺らの使命は これからもずっと 永遠に終わらないんですよ。
今 思うのは
代表は11人にして 11人にあらず。
文字通り 「我々の」 代表であれ と。