ようやく出てきたかなぁ ストライカーが。
■ 日本 5-0 トーゴ
ここのところ代表の試合をやってて 一応 見てはいましたよ。
見てはいたんですが これといった感想もなく 見た端から忘れる という
残念な感じがありましたね。ですが 昨日の試合は ちょっと違ってました
面白かった。特に スタメン 岡崎・森本の2トップが。
今 岡崎が凄いですね。あんなに簡単に点が入るかってぐらい 点取ってます。
でまた 動きが良いんですね。特に ニアサイドに入る動きが。
それが出来るストライカーが ようやく出てきたかぁ とワクワクして見てました。
日本が点を取るには ひとつ 「ニアサイドの攻略」 ってのがあると思うんですよ。
他国の屈強なDFを前に どう点を取るかって所で ニアサイドは有効なんですね
例えばサイドからのクロスに対して中央で待ってたとする この時 ただ突っ立ってる
だけじゃ まず点は入んないですね。相手が高さ・強さのあるDFなら 中央の山は
まず越えないですから。例え競合える高さを持ったFWを置いたとしてもフィジカルで
負けたりして。そうすると 「いかにして 高さ&強さ勝負に出ないか」 ってのが
日本のやり方になるかと思います。そこで考えられるのが ニアサイドの攻略。
相手より 1歩早く ニアサイドを突く
単純に 高さ・強さで劣るなら DFより前に出ればいいって事なんですよ。
DFの前に出れば そこには体が小さくとも 戦える場所があるんですね。
そこを制覇 出来れば 「世界とも戦える」 と思います。
ただ 簡単に攻略できないのが ニアサイドなわけで。
ニアサイドってのは まずボールが早いんですね。クロスを蹴る位置から近いから
ボールスピードがあって それに反応するのが 簡単じゃないんですね。
だからFWは避けたがるのかと思います。また 相手DFも当然 ニアのスペースは
消してくるわけで そこの奪い合いは 相当ハードな戦いがあると思います。
そうした点では フィジカルに劣る日本は不利なんですが そこを機敏性でカバーする
スピードで振り切る って能力があれば ニアサイドは奪えるわけなんですよ。
それが出来るFWがようやく出てきた と。 岡崎慎司。
これまでも ニアに強いFWはいました。今なら佐藤寿人も強いんですが
岡崎の場合 突出してるんですね。またそれが自分の特長として持ってる と。
ニアに強くなるには スピード・やボディバランスの他 気持ちや感性といったものが
必要になると思います。気持ちなら 相手の強さに退かない所や 絶対に入れる
という強い精神力が必要になるかと思います。また 最も必要なのは 「感性」 かと
思います。ニアは フォアと違って 時間も空間もない中での勝負なわけです
ピンポイントで勝負するためには 一瞬の感性が必要になる。出し手とのタイミング
相手DFとの駆け引き 当てる場所の予測 これらを一瞬の内にやらなければ
ゴールは生まれないわけです。特にタイミングと予測は 感性が必要かと思いますね
今の岡崎は それらの事 全てが 高いレベルで出来てるんじゃないでしょうか。
これまで多くのストライカー候補がいましたが 歴代 そう呼べる選手はいなく。
ここに来てようやく 「ストライカー=得点を取る選手」 と呼べる選手が出てきたな
と思います。ニアサイドを攻略する岡崎。その僅かなスペースと時間に勝てる
日本には 数少ないストライカーです。今後この岡崎が どう成長するか楽しみです。
そして もう一人のストライカー。森本貴幸。
早熟で 早熟過ぎたFWが ようやくストライカーになったのかな と思います。
この森本 FWとしての能力は 正直 普通かと思いますね。特別 スピードがあるわけ
じゃなく 高さがあるわけでもない。シュート力も普通で 岡崎の様な突出した特長は
見当たらないんですね。FWとしての総合力は高いけど 至って標準な選手かと。
ただ 何でイタリアで活躍できてるかって言うと
性格なんじゃないかな と思いますね。
海外で それもイタリアで FWの能力以上に 性格が重要視されるなんて ないと
思うでしょうけど 他に思い当らないんですね。突出した能力が見られないにも
関わらず チャンスを与えられたって事を考えると 人柄じゃないかと。
インタビューの受け答えを見ても 凄い素直な所が見えますから チームの監督が
常日頃 彼のそういう姿を見て来て 使ってみたくなったのかな と思いますね。
ただ そこからは森本自身の才能があったわけです。
点を取る という大事な仕事に 彼は結果を以って応えたわけですから。
タイプとしては 非常にスタンダードな森本ですが 突出してるのは精神力ですかね
どことやっても 誰とやっても 物怖じしない気持ちを持ってる と言うか。
実は この森本が 日本の柱なんじゃないか と思ってます。
例えば岡崎の場合 能力や特長といったものが大きく 期待値も高いんですが
そのまま世界でやれるかと言えば まだ 不明なんですね。
過去 日本人FWが海外で通用しなかったのは 世界との壁を自分で感じてしまって
自分で尻ごみをする というものがあったと思います。で 岡崎や他のFWが
そうならないとは限らなくて Jリーグで どれほど良いパフォーマンスをしようと
世界と戦う代表では パッとしないという選手が多かったですからね。そういう意味で
森本には 「物怖じしない」 という これまでのFWにはない強さを持ってるわけす。
どことやっても 自分のパフォーマンスは出来る そういう強さを持つ選手が柱なら
まずは予測を立てられるわけです。やってみなくっちゃ分からない選手と違い
森本なら これが出来る こうすればこうなる という読みが出来るんですね。
となれば もう一人のFWは 好調な選手を使えばいい と考えられるわけです。
昨日のトーゴ戦を見る限り ニアに強い岡崎が一番の相方で フォアで待つ森本との
コンビは得点の可能性がグッと高くなる様に思いました。
ただこう考えると これまで時間を費やしてきた1トップの形ってのが崩れるわけで
その辺はどうかと思いますが 個人的には 昨日のスタート 4-4-2が良いと
思いますね。森本を軸に 岡崎との2トップであれば 中盤はもっとシンプルにプレー
出来るでしょうし サイドさえ崩せば 後は2トップに任せられますから。
サイドを崩してから もう一工夫しなきゃならなかった今までと見比べても
よりシンプルで ゴールの可能性が高くなったんじゃないでしょうかね。
岡崎&森本の2トップは ひとつの完成形と思います。
ニアサイドを制覇 出来る 岡崎。
世界を相手に物怖じしない 森本。
2人のストライカーが 日本の鍵を握ってる と思える代表戦でした。