フッキと宮澤には 共通点がある。
それは 「監督が 育ててみたくなる選手」 と言うような。
フッキが代表デビューしましたね。土曜は 「日本vs南ア」 の試合を見て それから
何となく眠れなくて 3時半ぐらいだったかなぁ WOWOWにチャンネル替えたら
「イングランドvsブラジル」 をやってましてね。親善試合だから あんまり真剣には
見てなかったんですよ 眠かったし。で ちょっとしたら あーた 見た事ある顔が!
フッキが交代準備してるじゃないですか!一気にシャキーン!ですよ。
いやー感慨深いものがありましたね。ついこの前までは 宮の沢やドーム横の
グラウンドで汗 流してた選手が カナリヤ色 纏ったセレソンですよ(涙
ただ 感激のフッキA代表デビューは あんまりパっとした活躍もなく ゴリゴリも
グイグイもしないフッキでしたけどね。でも 偶然 見ただけに 嬉しさ倍増でした。
で このフッキの代表召集なんですが ブラジル国内では あんまり評判が良くない
らしく まずは 「誰?」 って感じらしいです。で 知ってたとしても 性格難が災いして
「呼ばなくてイイんじゃね」 って声も多かったそうで。それでもドゥンガは呼んで
しかも 試合に使った と。この辺りに 興味が湧きましたね。
まだ無名に近い&性格難の選手を 試合に使うってのは監督としてリスクがあって
それでも使ってみたくなった監督の心理ってやつを考えてましたね。
フッキのポテンシャルってのは 誰が見てもモンスター級だと思うんですよ。
早いし 強い。それはセレソンの中でも際立つものがあると思います
ただ ブラジルの場合 パワー系よりも テクニカルな選手が優先されるわけで しかも
ボール持ったら シュートまで離さない でまた なんぼそれを注意しても きかない
そういう選手をチームに入れると 非常に危険なわけですよ
ヘタすると チームごと ぶっ壊れる
そういう可能性があるわけで。それが フッキ 最大のリスクかと思います。
フロンターレがフッキを使わなかったのは そういう理由じゃないでしょうかね。
ただヴェルディや 我らコンサドーレは フッキを使い続けた
この とんでもねーモンスター 且つ とんでもねーリスクを持つ選手を 使い続けた と。
その辺の事に 当時 かなり腹 立ってましたね。
当時の監督は 柳下さん。札幌を指揮して3年目でした。この柳下監督 来た当初は
学校の先生みたいな指導をしてましてね。規律から 精神論 または非常に基礎的な
練習をしたりして 練習見学なんか行くと 部活っぽさを醸し出してましたね。
でまぁ それだけ教育的なものに厳しかった監督が 「規律なんか知らん!」 っていう
フッキを使い続けたわけですから チームに影響がないわけない。
実際 フッキが何度かの退場&出停を繰り返す内 チームの亀裂が浮き彫りになって
ガタガタでしたよ。それでも使い続ける監督に 「なぜだ?」 って憤ってましたね。
ただまぁ今になって考えてみると 色々理解するものもあります。
指導者の目標は 当然 「チームを強くする事」 にあるわけです。
もっと具体的な目標は J2ならJ1に昇格する事や タイトルを手にする事など
それぞれの場所で それぞれの目標を持つわけです。ただ 指導者個人の中に
「選手を 育て上げたい」
という願望が常にあると思いますね。チーム全体の目標とは 別の目標と言うか。
例えば 「何年に1人の逸材」 と呼ばれる選手がいて その選手がまだ10代なら
これからの可能性が とんでもなく大きいわけです。自分の指導ひとつで 世界的な
プレイヤーになる事も夢ではない となれば そりゃ育て甲斐がありますからね。
これまで そうした本音みたいなものを サッカー指導者やサッカー関係者から
聞いた事があって それは願望と言うより 使命に近いものでした。
「宮澤は 逸材 ですね」
ある指導者の方と話した時 宮澤の話しが出て そう断言してました。
確かに 僕ら素人が見ても 「巧い」 と思うプレーが見られるのですが
どうも精神的な物足りなさや このまま伸びて行ける素材なのか?って疑問が
ありましてね すると 「あの身体能力で あの柔らかさは 逸材」 と答えてました。
でまた そういう評価は 他の指導者からも 同じ様な話しを聞きましたね。
そうやって見ると 僕ら素人の目と 指導者の目では やっぱり違うものがあって
例えば ちょっとしたトラップだとか キックの質だとか 空間を把握する力だとか
宮澤の素材感ってのは 専門家の目で見ると かなり高い事が分かりましたね。
宮澤のプレーには色々と言われるものがあると思います。物足りなさがありますし。
ただ それでも監督が使い続けるのは 「素材感」 じゃないかと思いますね
これだけの素材を使わない手はないみたいな。でまた その根底には 育て上げたい
という願望がある様に思います。宮澤の持つ可能性を最大限に引伸ばしてやりたい
そういう 指導者としての使命に駆られるのではないでしょうか。
フッキも同じく。いや フッキの素材感は まさに とんでもねーワールドクラスなわけで
それを間近で見た我々は 肌で知ってますし それが専門家の目なら なお更かと
思います。例え使う事で大きなリスクがあったとしても 「育ててみたくなる願望」 は
抑えられないんじゃないでしょうかね。だから柳下さんも ドゥンガも使ったのでしょう。
フッキと宮澤。
2人にある共通点は 監督の使命感をくすぐるまでの 可能性。
だから 「育ててみたくなる選手」 なのかな と。
強気と弱気 性格的には両極端な2人ですが
その素材の輝きは 同じ質のものかもしれません。
コンサドーレは 面白い可能性を持っているのではないでしょうか。