W杯出場を懸けたプレーオフ 「ボスニア・ヘルツェゴビナvsポルトガル」 は
コワ・オモロかった。
ウチには 「愛猫 ミィ」 ってのがおりまして。この愛猫 齢13歳ほどになるんですが
今だ健康そのもので 食欲も旺盛と申しましょうか 食う事に全くの衰えを見せません
で 健康なのは嬉しいんですが 困るのは 夜中に 「メシくれ!」って騒ぐ事なんですよ
それが真夜中だろうと明け方だろうと くれるまで騒ぐもんだから たまにブチギレます
ただ 時にはこの お夜食の要求が役立つ事もありまして。
先日の水曜深夜から木曜早朝に掛けて W杯予選のプレーオフが行われました。
中でも どうしても見たかったのが ボスニア・ヘルツェゴビナvsポルトガル の試合。
ポルトガルと言えば あのC・ロナウドですよ。あのスーパープレイヤーがW杯で
見れるか見れないか その瀬戸際に立たされてるわけなんですね。
ただ残念な事に C・ロナウドはケガのため ここしばらく試合に出場してないと来た
となれば なお更 ポルトガルがW杯に出場できるか 気になりましたね。
ところがだ この試合の放送は 朝4時半から。
寝ないで起きてるか?それとも 一回寝て 頑張って起きるか?非常に厳しい選択を
迫られたわけですよ。まぁ自律心というものが完全に欠落してるオレですから
一回寝て起きるなんてのは 無理だなと分かっていながら ベッドに入りましたね。
ミャア(起きろ)… ミャアー(起きろ)… ミャアー!(起きろ!)
きっちり4時半。愛猫ミィは爆睡中のオレを起してくれましたよ。ナイス 食いしん坊!
欧州予選プレーオフ第2戦 ボスニア・ヘルツェゴビナvsポルトガル。
1戦目はポルトガルがホームで1-0の勝利と一応 リードしてました。ただ 2戦目は
アウェイとあって 先制されれば試合はどうなるか全く分からないわけです。
で 一方のボスニアは内紛から独立して まだ10数年で サッカー代表に至っては
W杯出場を果たしてない国なんですね。まさに この試合が運命を懸けた一戦で。
開始前からホーム・ボスニアのスタジアムは 異様な雰囲気でしたね。
あの雰囲気を ポルトガル側応援目線の立場で言えば
怖い。
ただ ただ 怖い。それだけですよ。なんだろなーあの怖さは。
興奮と殺気が入り混じってると言いますか テレビからそういうオーラが出てました。
日本でもレッズやアントラーズなんかは応援に かなりな迫力がありますし
スタジアムの熱狂度で言えばレイソルも熱いでのしょう。けど 基本はあくまでも
「自チームに対する応援」 だと思うんですね。それが応援の王道だと思いますし。
ただ ボスニアの場合 自チームへの応援は当然として
相手チームに対する威嚇
これがハンパない。しかも この殺気に近いオーラは 出そうとして出してるんじゃなく
観客一人一人が自然に発してるんですね。それがまた迫力を倍増させてる と。
多分それは国民性の成せるものなんでしょうけど 発するのが本能的なものですから
受ける側も本能的に 「シャレにならない危険」 を感じ取るわけで ああいうピッチに
立つアウェイの選手は 本気で怖いと思うんじゃないでしょうかね。
まぁ とにかく それぐらい危険な香りがスタジアムいっぱいに漂ってました。
で 試合の方はと言うと。正直 実にツマらない試合でしたね。
お互いが慎重になってるからなのか それとも単に技術がないからなのか 欧州の
ガチ試合とは思えないほど ミスや単調なプレーの応酬でした。欧州で応酬ってか。
ただ見ながら ツマらないと思いつつも 何か見入ってるんですね 寝ようとは思わない
その辺が不思議で 考えたんですよ この試合にある魅力みたいなものを。
怖いもの見たさ
ですかね。スタジアムの雰囲気があまりにも怖いもんだから 面白くなった と。
いやほんと そう思うだけの迫力があったんですよ サポーターの雰囲気に。
ただ 試合は至って単調のままで。後半に入って ポルトガルが1点取ったんですね。
この時点で ポルトガルは初戦と合わせて 2点のリードとなったわけで
しかもアウェイゴールがありますから ボスニアが勝つには 3点取らなきゃならない。
となれば 勝敗はほぼ決定的となったわけです。ポルトガルを応援してたオレは
少し安心してこれで寝ようと思ったんですが ただどうもまだ何かありそうな予感が…
その時ですよ。ファールの判定を巡って ボスニアの選手が副審に詰め寄る
と その瞬間に スタンドから物が飛んできた!
しかも あらゆる方向からガンガン 乱れ飛ぶ飛ぶ!中には金属的なものも!
その内 副審の後頭部にガッツリ当ったりして もはや暴動の一歩手前ですよ。
その副審は 即 ピッチの真ん中 主審の所まで逃げてましたね。
でまた その副審 ゼスチャーで報告するわけだ
むこうのヤツ 物 投げるから 俺に当って ここ ケガしたよ
何言ってるかは分からないけども 全部 分かりましたね。で しかも終いには
「オレ もう あっち怖くて 行けねぇ」 みたいなゼスチャーですよ。
まぁこう書くと ちょっと柔らかく思うでしょうけど 殺気立った中での出来事ですから
マジで怖かったでしょうね。テレビ見ながらのオレでさえ ヤバいと思いましたもの。
で もはや収拾の付かなくなりそうこの事態を ボスニアの選手が治めに行くわけ
スタンドに向かって 手を広げながら近づくと 抑えて 抑えて とやってました
多分 ボスニアの選手だって怖いはずなんだけど 治めるのは自分たちしかいない
ですからね 勇気を持って 治めに行ってました。それも物は飛んでましたけどね。
でまぁ こうなると 最後まで見ずにはいられない。試合の行方はほぼ決まったものの
W杯を逃したボスニアサポーターの皆さまは どうなるのか?暴動に発展するのでは
なかろうか?最後はどうなるの?とちょっとの いや かなりの好奇心を持ちましたよ。
それだけ とんでもねー雰囲気になってたわけですが。
結局 ボスニアは1人退場者を出し 試合はグダグダ的な内容で だけど意外にも
ポルトガルの守備が巧かった という試合が終わりました。
そして ここからですよ。ボスニアの皆さまは どうするのか?と 息をのみましたよ。
あの殺気を そのまま爆発させるのか?と 注目して見てました。
拍手でしたね ボスニアのサポーターは。
スタジアムのあちこち 映し出される人たちは 拍手で この試合を称えてました。
その時 何となくですが サッカーの深み みたいなのを感じましたよ。
試合中は 自チームの応援と鼓舞。相手チームには 威嚇と萎縮 与え
そして 試合が終われば 両チーム 両選手を 称える。
例え その途中に誉められない行為があったとしても 終わり方に清々たるものが
ありましたね。スタジアムの怖さが本物だっただけに あの拍手は妙に感動しました
漠然と 「スポーツマンシップ」 という言葉が浮かびましたよ。
アウェイの雰囲気と言うものは 作ろうと思って作れるもんじゃない と思いますね。
それは例えば 国民性であったり 日本国内であれば 県民性 または地域の特性で
あったり そういう自然発生的なもので成り立つ様に思います。
特に日本の場合 どうあっても 「殺気」 みたいなものまでは生まれないと思いますね
そういう国じゃないし そういう国民性でもない。であれば 応援に対するスタンスは
もっと柔らかくていいんじゃないか と思いますね。本質的に持ってないものを
追求しようとしても 結局の所それは イミテーションに過ぎないわけですから。
その代り 自チームを目一杯応援する どうあっても最後まで 目一杯応援する
そういうスタンスの方が日本には合ってる様な気がします。
我々は応援のというもの自体 まだ作られてる途中かと思います 何が自分達に
合ってるか どういう意識で どういうやり方が 自分たちらしさなのかは これからだと
思います。だから今は 探し続けるべきだと思ってますね 応援の意識と形を。
ただ 個人的にはボスニア・ヘルツェゴビナの怖さは好きですね。
今度 生まれ変わったら ああいう中で アホのように応援したい。
あの応援は 間違いなく コワ・オモロい。そう思いました。