勝つ!
昨日 ゴンちゃんが道内各局のインタビューを行った様で。
一局だけ見れたのだが その中で 何かメッセージを と要望されたのだろう
ゴンちゃんは 「勝つ!」 と書いていた。続けて 言葉を補足する様に コメントをした
「まずは自分に勝つ! そして試合に勝つ!」
端的だが らしい言葉だと思った。と すぐさま 「昇格出来ますか?」 と質問された
すると ゴンちゃんは 「それは違う」 と断言し こう言った
「1試合 1試合が大事 その積み重ねが 昇格なんだ」 と。
ジュビロの黄金期 それがどうやって作られたのか ずっと気になっていた。
日本のサッカーどころ静岡にあって 磐田は本流ではなく 支流になるだろう
また Jに参入した当初から それほど資金に恵まれたチームではなかった。
そうした中で 日本人の若手が中心となり どんどん力をつけて行くジュビロが
不思議でならなかった。綺麗に整備された下地 洗練されたサッカー その上で
ドゥンガの存在は大きかっただろう。美しさの上に 勝負強さを植え付けたのだから。
ただ それでも不思議に思えていた。
もし それで強くなれるのなら どのチームもそのプロセスを真似たはずだ。
センスの良い若手と経験豊富なブラジル人 それだけで強くなるのであれば多くの
チームに黄金期が訪れるのだ。だが 実際はジュビロ以外 成功したチームは ない。
そんな疑問の答え その一つが昨日のコメントにあった。
「まずは目の前の試合に勝つ事だけを考える。今は開幕戦にだけを見ている。
1つ1つの試合を 強く 「賢く」 戦う。その積み重ねた先に 昇格がある」
そんな事を ゴンちゃんは言っていた。なるほどと思った。
あの強かったジュビロは こうして作られて行ったのだろう
遠く崇高な目標を持ちながらも 常に目の前の一戦一戦だけに集中した
その積み重ねが あの黄金期を築き上げた という事なのだ。
もう一つ 気づいた言葉がある。
「賢く」
ゴンちゃんのコメントの中に そのキーワードがあった。
「懸命」 や 「気持ちを強く」 といった言葉はよく聞くが 「賢く」 は そう聞かない言葉。
当時のジュビロには その意識が高かったのだろう
賢く戦う
簡単な様で 実はそうじゃなく。日常的に高い意識を保ち あらゆる事を考えながら
取り組まなければ身に付かないものだ。確かに当時のジュビロは よく考えられた
サッカーをしていた。それも1人や2人じゃなく チーム全体がよく考え 機能的な動き
を見せていた。そうした意識を持てたのは大卒の選手が多かったのも要因に思う。
名波・中山を始め 藤田・服部(中退)と主力に大学からの選手が多い
こうした主力の 「考える意識」 がチームに波及したのではないだろうか。
日常的であるがゆえ しっかりとチームに身に付いた様に思う。
目の前の試合にだけ集中する
賢く戦う
この2つが あの強いジュビロを作っていたのだ。
金や才能ではなく もっと根本的な それでいて単純な 答えだった。
プロセスが大事なんだ。
コメントの最後に ゴンちゃんは そう言っていた。
今 中山雅史が試合に出る事は 正直 難しいだろう。それは本人も分ってると思う
だからこそ 練習で己を高める と言っている。試合に出場できるまでのプロセスが
大事だと言っている。自分に近い世代の人間が 今も現役で走り続けるのは
本当に考えられない事だ。それでも挑戦するその気持ちは 尊敬する他ない。
中山雅史の言う 「プロセス」 とは並大抵の努力ではないのだ
それは近くにいる者にとって 汲んでやらねばならない気持ちだろう。
僕らは短絡的に 「昇格」 を望んでしまう。
それは応援する者にとって当然の事でもあるが 「違う」 とも言えるのだ。
昇格するには 力を付けなければならないし 力を付けるには それ相当の準備が
必要なのである。プロセスの協力もせず 結果だけ求めるのは やはり違うのだ。
1戦1戦を大事に戦い それに勝つ事が 昇格へのプロセスであるし
試合に出るための準備もプロセスである。また戦術を考え サッカーを考え
そうしてチームを強くする事も 選手たちのプロセスである。
そのプロセスに どうやって協力するか。
それを考え 行動する事が 僕らのプロセスに 思った。
短かな時間だったが 互いの本質的なものが見え隠れするインタビューだった。
短絡的な質問と 本質的な答え。
きちんとした答えを話しても それに気づかないテレビ局。
もしかすると この北海道そのものが こうなのかもしれない。
もっと選手を分ってほしい。もっとサッカーを知ってほしい。
そんな薄っぺらなもので 選手を消耗させたくは ない。