あれは忘れもしない京都の夜でした。
友人が 「おい きもだめし しようぜ!」 って言うんですよ。
あたしゃね ちょっとヤな予感がしたもんで言ったんですよ 「どうかなー やめとこうよ」
って。だけど 友人は ツツツーって先に行っちゃう。しかたないんで あたしもついて
行きましたよ。そしたら ゼンゼン怖くない。これなら余裕だなーなんて思いましてね
調子に乗ってどんどん進んでたら 何かが変なんですよ なんだろなーなんだろうなー
と思ってたら 急に スーっと背筋が冷たくなる。「あ これはマズいな」 と思った瞬間
ポンポン と。 ハッ!と思って振り返ったら ドーン! ですよ!
あたしは腰 抜かしそうになりましてね 怖くなったんだけど 帰るには まだ早い。
落ち着いて歩けば大丈夫って言い聞かせて もう一度 歩き出しました。で ゆっくーり
歩いてたら ぼんやり灯りが見えたんですね。そこが肝試しのちょうど真ん中でした。
あそこまで行けばひと安心だって ホッとしまして 急ぎ足で そこまで行こうとした
と その時 急に何かが向かって来たんですよ。あたしは とっさに左に避けた
と 思ったら 右から ドーン!
怖かったですねー。あともうちょっとで半分って油断してましたから 腰が抜けました。
這(は)うようにして 何とか真ん中の所まで来まして フッと友人の顔 見たら 真っ青
もう2人とも怖くなって 「一刻も早く ここを出よう」 って言ったんですよ。
だけど帰り道も怖い 2人とも震えながら歩いてると スーーっと青白い人影が見えた
よく見ると 青年なんですね 歳は17歳ぐらいかなぁ。こんな時間に 何でこんな所に
いるのかなーって不思議だったんですよ。すると その青年 ニヤっと笑いましてね
いきなり ドーン!
17歳の青年にまで こんな怖い思いさせられるのかって嫌になっちゃっいまして
「こんな所に来るんじゃなかった」 って後悔しましたよ。けど まだ帰り道は残ってる
怖いよー怖いよーって思いながら歩いてると 髪の長い 綺麗な女性がいるんですね
分りやすい幽霊ですよ。これぐらい分りやすいと 意外と大丈夫なもので あたしは
適度な距離をおきましてね 様子を伺ったんですよ。そしたら その美しい幽霊さん
パッと消えまして あれ?っと思ったら 突然 目の前。 そして ツツツーと動きまして
綺麗にドーン!
4回目のドーン!ですから もう慣れたもんでしたよ。ただ 何だか変だなー変だなー
と思ってたら ズボンの中が 生温かいものでビショビショになってました。
いいですか 皆さん。肝試しを甘く見ちゃいけませんよ。
今の俺たちなら 大丈夫だろ なんて軽く思っちゃ 必ず怖い目にあいます。
肝試しを軽く見たわたしたちを 京都の夜は4度も怖い目にあわせました。
1度目は ポンポン・ドーン! 2度目は 右からドーン!3度目は 17歳にドーン!
そして最後は 綺麗にドーン! 腰は砕け ズボンはビショビショの 4ドーンでした。
もう二度と肝試しなんかしない と誓いましたよ。
で お次は ゲゲゲの妖怪退治か。
こわいよ~ こわいよ~
■ 京都 4-0 札幌