前節 草津に負けた時は思った
終わったな と。俺たち終わったな と。
そう思わずにいられなかった先週の日曜。
だが よくよく考えれば今のウチが あの評論家みたいな ミニ武史みたいな
ソリ何とかに負けるはずねぇ!と若干 火薬の量 多めにして考え直した。
落ち着きを取り戻したオレは もう一度 じっくり残り2試合を考えてみた。
コンサドーレが湘南に勝ち勝点を65に伸ばす となれば追い詰められるのは
鳥栖 徳島の方。しかも都合の良い事に次節はライバルの直接対決になる。
両チーム初めての昇格争いの中 このシビれる対決は こっちに好都合なのだ
負ければ即 昇格レース脱落である その緊張感と崖っぷち感はハンパない。
どっちが勝っても そこで使うエネルギーがハンパなく 最終戦は危うい。
となればだ 残り2試合を有利に進められるのは 我々の他ないのである。
この昇格レース もらったな。
そう思った。草津戦直後 地の底に落ちたオレの心は一転 急上昇を始めた。
あの草津戦の敗戦は「むしろ四捨五入したら 勝ちですよ!」とさえ思えた
すると何だか急に軽くなり 思考回路は もはや最終戦後の祝勝会に及んだ
よし 祝うぞ! 騒ぐぞ!飲むぞ(オレンジ)!とオレの心は天まで昇った。
そんな 浮かれ気分でロケンローだった水曜の午後。だが その時ふと気づく
得失点差。
勝つには勝っても 得失点差を埋めるだけの得点を我々に取れるのか?
そんな不安が ふと過る。急に目の前が漆黒の闇に包まれた。
しかも最終戦の相手はFC東京。もし5点も6点も必要だったらどうしよう。
不安は 水に落とした墨汁の如く 静やかに広がる。やばい。大丈夫か。
ダメかもしらん。心は またも地中深くに落ちた 木曜の午後。
不安と焦りに包まれた金曜が過ぎ やがて 心は 無の境地に達していた。
そして 運命の 湘南戦が始まる。
開始から押されっ放しのコンサドーレ。浮かれ気分のロケンローは消えた
もしここで先制されれば 崖っぷちどころか 指一本で引っ掛かる状態だ
それだけは何としても避けたい。だが ピンチが容赦なく何度も襲う。
そのたび「お前 それもう汗やなくて 雨やで!」の如く 手汁が出る。
だがビッグチャンスはあった。湘南のクリアが ジオゴの目の前に来た
決まる!そう確信した。このゴールを決めて ジオゴは最高の笑顔を見せる
これぞまさしく「笑いジオゴや!」っていう 温度差で風邪引くやつを
用意して待っていた が ジオゴのヘッドは GKへの優しいパスになった。
色んな意味で 冷や汗ばかりの試合が 刻々と過ぎてゆく。
やばい。これ負けるかもしれん。そんな不安がどんどん大きくなる。
だが選手の表情から不安など感じられなく。勇敢に 逞しく 闘っていた。
そんな気持ちが 徐々に試合に表れ出す。あれほど防戦一方だったゲームが
いつの間にか押し返し始めていた。そして後半16分。その魂が結実する。
近藤がPA内で粘り 後ろに優しいエンジェルなパスを送った。
後方にボールが転がる だがその時 テレビ画面には誰も映っていなかった。
が、誰だ 誰か来る?!と思った次の瞬間 風のように古田が飛び込んで来た
ボールに追いつくと躊躇なく左足を振り抜いた。力まず 完璧なフォーム。
正しいフォームで蹴れば狙った所へ行く。そんなお手本のキックだった。
シュートは鋭くゴール右隅に突き刺さった。1-0。
これで ひと安心した が得失点差の問題がある。一撃じゃまだ足りない。
もう1点 そう願った。試合は俄然 ヒートアップした。
選手の熱が サポーターの情熱が伝わってくる。だが試合は残り10分を切る
頼むからもう1点 そんな祈りにチャンスが訪れる。近藤がPA内へ突入した
相手が一斉に防ぎに来る。それでも強引にシュート! かと思いきや
近藤は横へパスを出した。またもスィートでエンジェルなパスだ。
待っていたのは宮澤。途中からシステムが変わったため そこに居たのだ。
宮澤は 近藤からのメルヘンで エンジェルで クリーミーなパスを
確実に決めた。これで2‐0。
欲しかった欲しかった追加点が ようやく手に入った。うぉぉぉー!!
と 喜んだのも束の間。またしても猛攻を受ける。次々に襲ってくる。
やばい ここで失点してしまったら 元も子もない。せっかくの追加点が
台無しになってしまう。いや台無しどころか ロスタイムが怖い。
なんせ先週の今週だ。草津戦の恐怖が蘇る。怖い。やばい。
あと数分だけなのに またも恐怖に襲われた。全身がガタガタと震える。
やっぱオレは 「心の薄毛やん!」 そう自覚した。
あと3分… あと2分… 時間経つのが遅い。カミさんはなぜか正座していた。
ロスタイム何分?5分?長げぇよ。まだかよ。もういいじゃん。危ねぇ!
もうやめてー!審判 笛吹けよ!遅せぇよ!吹けよ!吹いた?今吹いたな?
吹いたよな?な?
よっしゃー 勝ったーー! 良かったーーー!
っていうか
高低差ありすぎて 耳キーンなるわ!上ったり 下がったり 行けそうと思いきや 行けなさそうだったり。
負けそう と心配したら 勝てそうとか。かと思いきや 危なかったり。
もうワシの心 もて遊ばんといて!
とにかく勝てて良かった。
選手もサポーターも 力の限りを尽くした勝利だった。
この試合に勝つか負けるで 天国と地獄の差。だから気が気じゃなかった。
そこで勝ったのが純粋に嬉しいし 何より最終戦に繋げた事が大きい。
次は今年最後の試合。ホームゲーム。昇格を懸けた戦い。相手はFC東京。
最高のお膳立てだ。この1年の いや3年間の 集大成の舞台が 整ったのだ。
それは 選手だけじゃなく 我々の集大成でもある。
色んな我慢をし それでも諦めず 必ず選手の力になると信じて続けた応援。
その応援の力が 結果に結び付く事を 証明する時が来たのだ。
もう迷う事も 躊躇う事もない。ただ全力で。ただ力の限り 応援しよう。
そして あの大きな夢を掴もう。さぁ行こうぜJ1に。行くぞ最高の舞台に!
そのための合言葉はただ一つ。
さぁ行こう J1! 最高 J1!それ陶芸家やったら 自分で割るやつやで。