年に何度か 「そりゃ 負けるよな」 という試合があるのですが
神戸戦はまさに 負けるべくして負けた試合 かと思います。
■ 札幌 2-4 神戸
正直 “前節の勝ち方が悪かった” と思うんですよ。最後の最後に入れた岡本の
センタリングがオウンゴールを誘ったのですが あの場面 本来やるべき事は
単純に放り込むか ドリブルで切れ込むかなんですね。が それをせず サイドを
回してました。結果は劇的な勝利で終えましたが 個人的にはちょっと いやかなり
引っ掛かるものがありましたね。これは次からマズいんじゃないか と。
そんなヤな予感と暗雲が立ち込める厚別。
大丈夫かな と心配する間もなく失点。立ち上がりの神戸は単純に蹴ってましたが
相馬にサイドを突破され 田代が中央で粘ってゴール。あまりにもあっという間の
失点でしたが この失点でも コンサドーレのあらゆる弱点を見せていました。
まず 立ち上がりの良し悪しが極端なんですよ。前節の仙台戦は良かったものの
この神戸戦は 動きが鈍く 積極性も乏しい立ち上がりになってました。その辺の
試合によって違う 不安定な入りは 戦い方も定まらないですからね 気持ちと体の
コンディションを整えて試合に臨んでほしいと思います。で それと同時に積極性。
これまた試合が始まってみなくちゃ分からない。自分らの調子が良かったり
相手が慎重に来たなら 積極的に行けるのが我がチームの特徴ですが なんせ
ホームですからね なら 相手の出方を見るまでもなく 自分らが主導権を握って
ガンガン積極的に行くべきだと思います。でまぁここまでは内面的な問題で。
プレーとしては まず軽すぎる失点。早い時間に失点したり 大ピンチでもないのに
いきなり失点したり 軽い失点が多過ぎますよ。この辺はCBの問題ですかね。
で もう一つ重大なのは サイドの守備ですよ。この時の失点シーンもそうですが
相手が特別良い動きをしてるわけじゃないのに 十分形でクロスを上げさせてます
特にこの試合は右からのクロスで3失点ですから 日高の守備意識とボランチ&
右サイドの守備を考えないと改善しないでしょうね。と開始早々の僅か1点ですが
コンサドーレのあらゆる弱点が露呈した失点だったように思います。
で 失点後は互いにチャンスがありつつも 主導権は神戸にありました。
神戸は野沢を中心に 大久保と茂木が搔き回して 中央で田代が構える という
ハッキリした形がありました。また 守備組織が格段に良くなったと思うんですよ。
ボールに対しての寄せが早く 奪ってから野沢を経由した展開力もありました。
外国人に頼るサッカーから脱皮しつつ 守備精度の高さや セットプレーの強さを
活かしたチームになってましたね。その辺は西野さんの手腕だろうし クラブの
考え方も変わって来てるように思いました。もう残留争いはしないでしょうね。
一方のコンサドーレは。野沢にFKを決められて 2点差の厳しい展開に。
ただこの 「行くしかない」 って状態が やるべき事を単純にさせたわけですよ。
ハモンが取ったPKも 行くしかない状況が生ませたもので 上原のヘッドも単純な
放り込みが生んだもの。あれで良いと思うんですよ。サッカーを複雑にしないで
今やるべき事をやる 決まるまでやり続ける それだけで大きく変わると思います。
で その通りに同点まで追いついて そこまでは最高に良かったですね。
が そこからの 「緩み」 が 負けるべくして負けた原因かと思います。
上原のスーパーヘッドで同点にしたコンサドーレでしたが その時 時計は75分。
残り15分を どう戦うか迷ったんじゃないでしょうかね。勢いのまま攻め続けて
逆転まで狙うか 一旦 落ち着かせて 残り5分に賭けるか 難しい状況でした。
その辺の意思統一がサッと出来てれば 終盤の戦い方が違ったんでしょうけど
迷ったままリスタートしてたかと思います。またコンサドーレには こうした状況を
ピッチ上で指揮する選手がいないんですね。逆に神戸には野沢が居るわけです。
まずはリズムを作るため 遠目からもシュートをバンバン打ってくる。そして都倉の
投入が一気に攻め込むサインでした。こうして 「勝ちに行く」 という意思統一を
図った神戸に対し コンサドーレは後手に回ったんですね。統一性という意味で。
迷いつつ フワフワした状態でリスタートし 結局 守備が緩んだわけです。
同点直後から コンサドーレは球際を競らず 目の前のボールを取りに行かない
そういう緩んだ時間帯を作ってしまった。でまた J1は見逃してくれないですね。
迷いが 緩みになって 隙を作る 神戸は すかさずそこを突いて来る。
それが神戸と札幌の違いでしたし 試合の明暗を分けた所だったと思います。
で サイドから上げられて失点。守備の人数は余ってるのに やられてました。
という事で 神戸戦は負ける要素が多くあった 負けるべくして負けた試合でした。
前節のツケがあって 立ち上がりが不安定で ホームなのに積極性が乏しくて
サイドの守備が緩くて 状況判断が適切じゃなく チームの意思統一もなかった。
こうやって悪かった所を挙げれば どれもこれも深刻ですが 改善は難しくないと
思うんですよ。要は 「もっと単純に サッカーするべき」 なんですよ。ドリブルが
巧いヤツはドリブルすればいいし 高さのあるヤツは高さを活かせばいいし
速いヤツは思いっきり走ればいい それぞれがそれぞれの特長を活かしつつ
チームに貢献する事を考えればいいじゃないでしょうかね。
そうして 戻るべき原点に戻りつつ 進化すべき所は進化しつつ 残り12試合を
戦ってほしいと思います。せっかくJ1に居るんですから 1つ1つの試合を教材
として 対戦相手は何をしたか 自分らはなぜ負けたのか 考えてほしいですね。
小さなものでも 見つけ出せれば それが今年の財産ですから。