開幕から約4か月にして 初の連勝を飾ったコンサドーレだが それまでの試合と
ここ2試合で違うものに “上原拓郎の起用” という点がある。
上原の活躍で連勝したわけではないが 良いプレーが随所にあったのは事実で
密かに今 注目するプレイヤーなのだ。 ならば 上原を掘り下げてみようと思った。
今季 大学を経由してトップ昇格を果たした上原は 基本的に守備的な選手だが
足もとの技術は確かで 攻撃センスも高い。 ボール奪取や状況判断などに優れ
見ていて 「頭を使う選手だな」 と感じる。 また 今は左SBで起用されているが
ボランチも可能で 入団時 「守備的なポジションならどこでもこなす」 とある事から
おそらく やれと言われればセンターバックもやる覚悟があるのだろう。
こうした能力の幅広さや頭脳やメンタルなど 優秀な素材である事は確かだと思う
そこで この上原拓郎を最大限に活かした起用法は何だろう と考えてみた。
話しは少し逸れるが 今 コンサドーレが目指してるのは “パスサッカー” だ。
パスサッカーは 華麗なパスワークで美しくゴールに迫る という特殊なサッカーの
イメージを持つが 今回のW杯で分かるように パスサッカーをしてない国はない。
その対極にあったロングボールから始まるサッカー いわゆる “縦ポン” は絶滅し
「サッカー=パスで繋ぐ」 というのが当たり前の時代になったのだ。 それなのに
パスサッカーを目指す なんて言うのはどうなん? と思うが それは置いといて。
パスサッカーを構築する事は絶対 正しいと思う。 スーパーなストライカーが
輩出されなくなった今 “蹴って 後はお願い” みたいなサッカーは不可能だろう。
ならば やはりパスサッカーを作らなければならない のだが それが簡単じゃない
単純に止める蹴るの所でアップアップしてるのに オフザボールの動きや連動性
あるいはイメージの共有など よりサッカーが複雑になってしまうからだ。
そうしたパスサッカーの構築に必要になるのが “柔軟性のある選手” だろう。
例えばAとCの選手は硬質な 俗に言う脳筋な選手だったとしても その間に入る
Bの選手が柔軟性を持っていれば 組織として成り立ち パスも潤滑に回るはず。
パスサッカーには そんな柔軟性のある選手を何人揃えられるか が鍵になるのだ
幸いコンサドーレは小野伸二が加入し 柔軟性では最大の武器を手に入れた
小野が入れば確かにパスサッカーの構築は加速するだろう だが1人では無理で
例え小野に高い能力があったとしても 良い所に入って来る選手がいなければ
パスにならないし それが4人5人と連動しなければ パスサッカーにならない。
パスサッカーを目指すも その構築は難しく 優秀な選手が複数必要になるのだ。
と、前置きが長くなったが。 そこで重要な鍵になる選手がいる
上原拓郎。
上原には 確かなパスセンスやサッカーセンスを感じる。
小野のようなファンタスティックではないが 状況に応じて的確なパスを出せる
また そのプレーには柔軟性も感じる。 それは 組織にとって重要な能力だろう。
こうした上原の能力を もっと高く評価していいのではないか と思うのだ。
例えるなら 「和製ピルロ」 というような。
ピルロと言えばイタリアの至宝 レジスタである。 ファンタジスタより少し現実的で
常に効果的なパスを繰り出し どこのチームも欲しいが なかなかいない選手だ。
そんなピルロを 上原はどこかイメージさせる。 プレースタイルやポジションや
役割も違うのは分かってるが 持ってる資質や雰囲気が似ているのだと思う。
そこで考えてみた。 上原拓郎をピルロと見立てた場合 どんなサッカーになるか。
上原拓郎をDFとボランチの間 アンカーとして起用してみたらどうかと。
上原をファンタジスタの下に置くシステム。 名づけて 「UFOシステム」 である。
・・・いや真面目な話し 今後 小野が加わり そのポジションをどこにするかで
戦術やサッカーの形に影響するのだろう。 トップ下かボランチかで かなり違う。
更に言えばコンサドーレには あの天才 もう1人のファンタジスタ “前俊” がいる。
サッカーファンとして どうしても なんとしても 絶対に この夢の共演は見たい!
のだが それは同時に 「混ぜるな危険!」 と呼ばれる共演である事も間違いない
とすればだ 誰か1人犠牲に いや 気の利く選手を配置しなければならないのだ
そこで守備能力が高く 状況判断に優れ 陰ながら汗をかく 上原拓郎なのである。
上原をアンカーに置く事で ビルドアップの時 小野-前俊への経由が楽になるし
両SBやCBが上がった時はカバーもできる すると守備陣の攻撃参加を増やせる
また 小野が前線に上がったなら 中央をカバーできるし その逆も可能である。
そう考えると “攻撃が厚くなり 守備は更に厚くなる” という魔法の布陣なのである
どうだろう 完璧ではないだろうか。 このUFOシステムを考え出したオレは天才!
と思った が 実際 機能するかどうか なんて全然 分からん。 分かるわけがない。
だいたいにして発想の原点が 「上原はピルロに似てる」 だし もう1つの理由は
「小野と前俊の共演が見たい」 なのだから そこらの小学生と同じ発想なのだ。
ただ あながち間違ってはいない とは思っている。 パスサッカーをするにしても
機能性・柔軟性がある上原を深い位置に置く事で パスがスムーズになるだろうし
守備が安定すれば 多くの選手がもっと大胆に動けると思う。 で それらを総合し
上原拓郎を最も活かすポジションは アンカーかもしれない と考えたのだ。
ちなみに 彼のアピールポイントは 「キャプテンシー」 座右の銘は 「臥薪嘗胆」
成功のために苦労に耐える それが上原の信条なのである。 なるほど。
チームは復調の兆しが見え始めている。
ケガ人も徐々にだが 戻りつつあり 見通しは明るくなって来た。
更にこれからは小野が加わり 内容や結果の期待も高まっている。
ポジティブな要素はどんどん膨らんでいるのだ。
ただ ここで もう1つ上へ行くために。 もっと先へ進むために。
上原拓郎のアンカー起用
それは ちょっと面白いかもしれない。