すっかり放置の蹴馬鹿でございます。
実は2月と3月に相次いで身近な人を亡くしまして ちょっと沈んでおりました。
双方とも大病を長く患いながら 闘った末の結末ですから 悔いはないと思います
ただ いくら頑張ったとしても 病に勝てないのなら 結局 人間は負け戦じゃねぇか
なんて考えたりして まぁなんていうか 春なのに 重く深い2月3月でしたね。
一方 コンサドーレも “春なのに” といった状態でしょうか。
開幕から3勝3分2敗 勝点12の10位。 勝敗や順位は妥当な所なんでしょうけど
内容は今ひとつピリっとしない。 正直 見ててウキウキ感がないんですね。
私生活で沈んでる分 せめてコンサドーレに躍動感を感じたかったのですが
何か秋口のような重々しい試合が続いてるように思います。
水戸戦のように 内容はともかく 取りあえず勝つ事で徐々に軽くなって行くなら
それはそれで打開策だろうし 本気で自力をつけたいのなら もっと考えて
もっと戦術を共有して もっともっと闘えるチームにならなければ と思いますね。
と、そんな “春まだ遠し” と感じる中 今日 宮の沢に行って来ました。
重かった雲もようやく晴れて 春らしいこの陽気ですからね 休みも取れましたし。
練習見学は今年初でしたが 相変わらずの美しい芝としっかりした見学席
クラブハウスも事務所も併設されて これだけ環境が整ったクラブはそうない
なのに あの覇気のない試合はなんやねん!と内心思いつつ行ったわけですよ。
おそらくダラダラ あるいはチンタラ 練習をやってるのだろう と思っていたら
いや違うのですよ。 けっこう皆さん ガツガツと練習を行っておられました。
ヘタしたら 試合より気合い入ってんとちゃうかーってぐらい精力的でしたね。
そんな選手たちの様子にひと安心して それが暖かな陽気と相まって
心はすっかり雪解けを迎え ようやく春の足音が聞こえたような気がしました。
そして もうひとつ オレの心を完全に融かした事がありました。
練習後 友人と出待ちをしたのですが その横で一人のおじさんがいたんですね
歳は六十代半ばぐらいで 手には何枚もの色紙を持って ウロウロしてました
見るからにサッカーにもコンサドーレにも興味ないであろうそのおじさんは
選手がグラウンドからクラブハウスに入る階段を上るとすぐに小さな紙を取り出し
それと選手の顔を見比べてたんですね 見ると開幕戦で配られた選手名鑑でした
名鑑といっても一枚の印刷物で 顔写真だっても小さく とても分かり辛いもの
だけどおじさん 必死にその小さな小さな写真と選手を見比べてるんですね。
で 選手が分かったなら すぐさま 今 憶えたばかりであろう選手の名前を言って
「サインお願いします!」 と色紙とペンを渡していました。
それを選手一人一人 全員にやってるのが 本当に大変そうだったもので
「あれは深井だよ」 とか 「この選手は都倉だよ」 と教えてあげました。
ただ おじさん サインを貰う選手と貰わない選手がいて 「どうして?」 と
聞いたわけですよ すると おじさんは事情を話してくれました。
孫から 「選手全員のサインを貰って」 と頼まれた と。
ただ1日で全員分を貰うのは不可能だったようで 今日が3日目だそうです
で これまで貰った選手からは必要なく サインを貰っては名鑑に〇を付けてました
そうやって1人1人に書いてもらい 残すは後5人という所まで来てたんですね。
「孫のため」 何となく察しはついてましたが それは本当に大変な事なんですね。
選手が上がる時間はそれぞれだし それを待ち続けるのは根気がいる作業で
まして顔も名前も知らない中 サインを求めるっていうのは 相当なエネルギーが
必要だと思います。 だけどお爺ちゃんは可愛い可愛いお孫ちゃんのために
それは必死に みっともないほど必死に サインを掻き集めていたわけです。
その みっともなさに 何か感動しました。
練習場にはいろんな愛がありますね。
自分も久しぶりにコンサドーレに触れてみて チーム愛みたいなものを感じたし
一人の選手を応援するというのも愛だし 孫への愛というのにも触れました。
今日 宮の沢へ行って良かったなと思いますよ なんせ春を感じましたから。
ただ 孫よ。
人に貰ったサインに価値はないぞ。
勇気を出して 「サインください」 つって
選手とコミュニケーションを取って
そこで初めて 思い出と宝物になるんだ。
だから 次は 自分で来るんだぞ。
ちなみにオレ 今日 初めて小野伸二と握手しました。
蹴馬鹿 完全に春到来であります。