先日の京都戦 終了後 ある方とお会いした。
関東から観戦に来たひゅいさんが「会わせたい人がいる」とのことで
その方たちと引き会わせてくれた。
室蘭大谷サッカー部OB。
あの昭和53年 選手権大会 準優勝メンバーだった。
昭和53年第57回大会 全国高校サッカー選手権大会。
北海道のサッカーファン 30代後半から40代の人ならば
忘れる事の出来ない大会だろう。
山口・浦和南・徳島商業と強豪を次々破り 準決勝 本郷を2-0で下した。
当時 北海道のテレビでサッカーを見る機会などほとんどなく
この選手権大会と天皇杯決勝ぐらいが唯一のチャンス
「1試合でも多く見たい」 それが中学生だった私の素直な願いだった。
そして決勝戦。晴れてファイナリストとなった大谷イレブンが映し出された。
仲間たちと そのプレー1つ1つに反応し 固唾を呑んで見守った。
お会いした2人は 今もサッカーを続けている と言う。
そういった観点からも 今のコンサドーレに何が必要か 尋ねてみた。
「特長を掴んでないよね」
そう答えた。もっとお互いの特長を引き合い出せば良い と言う。
この答えには納得するところがある。
どうも選手たちが「武器」を出し切ってない感がある。遠慮と言うか。
確かに「組織」を優先すれば「個性」は埋没することはある
それにしても どこかで自分の個性を出して行かなければ
局面の打開が難しくなる 更にはプロとしての存在感も薄くなる。
90分の中で ボールを触れるのは僅か数分 いや数十秒かもしれない
その僅かな時間を有効に使わなければ。どこかで思い切り行かなければ。
分かりやすい例を挙げれば デルリス。
移籍して4ヶ月が経つ今も その特長が発揮されていない。
と言うより その特長が分からない。水戸で8得点という実績から
カウンターで抜け出て得点を挙げるという プレースタイルに思うが
札幌に来て何度かあったカウンターでのチャンスは ことごとく失敗に終わっている。
シュートの精度が良いかというと そうでもない。
何かいつも無理な体勢から 一か八かのシュートを打つ と言った印象だ。
ただ この選手凄く真面目なのが 練習を見るとよく分かる。
とにかく監督の指示を真剣に聞き 札幌のサッカーを身に付けようとしている。
サッカーに対する姿勢の良さは感心してしまう。
自分の個性を出すより チームにどうフィットするかを優先させているように思う。
それが良いかどうかは難しいが 特長を出すという意味では物足りない。
それでも 来年もいてくれたらと思う。
京都戦でのケガが大きくなければと願います。
もうひとつ。自分はこういうプレーが得意だ と言うものがあるなら
それをアピールしなければ伝わらない。
例えば こういう貰い方が良い。こういうタイミングが得意だ。こんなボールなら とか
自分の得意とするものをもっともっと要求すべきだろう。
そうして生まれる組織は 個の強さを持ったものになる。
例えば 相川のダイビングヘッド。楔。
例えば 清野のミドルシュート。
例えば 砂川の技術。経験。
例えば 西谷のアイディア。速攻。
例えば 和波のキレ。シュートの精度。
例えば 岡田の突破。勢い。
例えば 智樹の視野。スルーパス。
例えば 金子の献身さ。
例えば 加賀のスピード。センタリング。
例えば 曽田の制空権。キャノン砲。
例えば 池内のヘディングシュート 落下点の読み。闘志。
例えば 林の声。重量感。
コンサドーレにはまだ多くの潜在能力がある。
貪欲に その力の全てを 見せて欲しいと思う。
チャンスはまだある。逃さずに。
遥か30年近く前。一度のチャンスをモノにしたチームがある。
決勝という舞台には 余りにも似つかわしくないチーム。
不利な条件の中で練習を積み 大舞台への切符を勝ち取った。
国立で儚く散ったものの その栄誉は今も息づいている。
最後に。今回お会い出来たお二方と色々話すうち 当時のことが蘇り
なつかしさと共に あの選手権が原点であったことを認識しました。
その機会を与えてくれた ひゅいさんに感謝します。
そして北海道とサッカー この2つを大きく結びつけた 室蘭大谷サッカー。
もしかしたら コンサドーレが今あるのも あの選手権があったからかも知れません。
その感謝をここへ記します。
第57回選手権大会 準優勝の方々。本当にありがとうございました。