吉瀬ほど 悲しい目をした Jリーガーは いない。
あれは02年4月。
W杯を目前に控え サッカー熱が急速に上がっている時のことだった。
その高まる視線の中 函館でJ1の試合が行なわれていた。
ホームのコンサドーレ札幌 対するは日本No1の強豪 鹿島アントラーズ
その試合で 1人の選手が 偉大なる記録を打ち立てた
デビュー 僅か4分にして イエローカード。そしてPK献上。
という記録を。
その時の 彼の表情。その悲しげな眼差し。それが忘れられない。
見ている私までも 心が豪雨で水浸しになるような 悲しげな目だった。
そして それきり彼をピッチで見る事はなかった。
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【吉瀬広志】
福岡県出身 23歳 DF 02年入団
札幌-水戸-新潟S-札幌
5年という年月を経て 彼は ようやく札幌の選手としてピッチに戻った。
今年3月の徳島戦 後半15分。長い長い封印を解かれた瞬間だった。
その試合 約30分を無難にこなし あの忌わしい過去を消し去る事が出来た
が。次の出場で 彼は また やらかした。
仙台でのサテライトリーグ 後半68分 1発レッド&OKの献上。
この試合を見たわけではないが なぜ こんなことが起ったのか?
吉瀬がレッド&PKまでしなければならない状況だったのか? それが謎だ。
2点リードの後半 自チームにはユース・ルーキーが3人 不慣れなDF
この条件の下では 吉瀬こそが しっかりしなければならなかったはず。
DFの大黒柱として チームの先輩として 引っ張り 支えるべき存在だった。
それは 彼自身が一番 感じていた事だろう。
だが 吉瀬はやらかした。1発レッド&PK献上
そして何よりも恐れていた あの忌々しい記憶を蘇らせたのだ。
これでは まるで 天皇杯 優也を思い出させた 徳島・鈴木 ではないか!その瞬間 おそらく吉瀬は 海よりも深い悲しい目をしたに違いない。
そんな 吉瀬は 大丈夫だろうか。
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吉瀬には まだ心配な事がある。
それは やはり あの目だ。
悲しげで 不安げで 世を憂いている。
どうしたんだ その目は?
なんで そんなに 腫れてるんだ?
それじゃ まるで 12ラウンド フルに打たれた名城 じゃないか!今どき ここまで腫れぼったい目は そうそうお目に掛かれるものじゃない。
もはや 生きる芸術と言って 差し支えないはずだ。
そして 腫れぼったさの真ん中には 憂いに憂いた瞳である。
やらかしてなくても やらかしているように見える 瞳である。
こっちまで 悲しくなるような あまりにも切ない瞳である。
これでは心配せざるを得ないわけだ。
やはり 吉瀬は 大丈夫だろうか。
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まだ まだ 吉瀬には 心配なところがある。
まずは もう1度 オフィシャルの顔写真をご覧になっていただきたい。
何か気にならないだろうか?
おかしな部分と言おうか 変な所が。
では クローズアップしてみよう
ここが タイヘンな事になってる!
なんなんだ この盛り上がりは!
これじゃ まるで
新弟子検査の 舞の海
じゃないか!その中にシリコンか何か入ってるのか?
それとも新種の武器なのか?
それは Jリーグの規定とかに 引っ掛からないのか?
あらゆる事に疑問が湧いて来るヘアースタイルだ。
おそらく この選手紹介の写真を撮る時に カメラマンに言われたはずだ
「大丈夫ですか?」 と。
だが吉瀬は なにが 「大丈夫?」なのか分からなかったはずだ
そして悩んだはずだ「オレは大丈夫じゃないのか?」と。
そうなれば あらゆる事が気になり不安になる その不安が表情に表れてる。
だから あの顔写真だ。やはり その目は悲しげで 不安に満ちている。
1年1度の撮影でさえ やらかしてしまう。
いろいろ 吉瀬は 大丈夫だろうか。
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吉瀬は 大丈夫だろうか?
逆PK職人の吉瀬。
腫れぼったい吉瀬。
天辺が大変な事になってる吉瀬。
そんな吉瀬は 今日も世を憂いている。
その悲しげな瞳で 見ている側まで 悲しくさせるほどの瞳で
吉瀬は 世を 憂いている。
だから 吉瀬を見ると ついつい心配してしまう
吉瀬 ほんとに 大丈夫か と。