確かな手応え と 残る悔しさ。
これが成長のための 最良のバネ。
■北京五輪壮行試合 日本 0-1 アルゼンチン
一昨日の五輪代表試合 良かったですねー。アルゼンチン相手に一歩も引かず
押されては押し返す 見事な戦いっぷりでした。途中からの雷雨で中止でしたけど
壮行試合としては 最良の結果と言えるんじゃないでしょうか。
途中で中止ながらも 「負けた試合を最良の結果」 って言うのもなんですが…。
実を言いますと この試合を見ながら 「負けた方がいいな」 と思ってたんですよ。
前半10分か15分ぐらいになって もの凄い 「良い試合のニオイ」 がして
「この良い試合のまんま 最後は0-1で負けた方がいい」 ってカミさんに言ったら
カミさんイラっと来たらしく 「 …おんどりゃ 何 考えとんじゃ!」 って顔しましてね
まぁそりゃそうっすよね。勝負事に負けた方がいいなんてもんはないですからね。
ただ 試合を見ながら 蘇ったんですよ。以前あった 本大会直前の良い試合が。
06年 ドイツW杯直前の壮行試合。日本vsドイツ。
この試合をアウェイの中 ドイツと2-2の引分で終えたんですね。
内容も結果も素晴らしい試合で 日本は当然 本気中の本気でしたし
ドイツも地元開催のW杯ですから 必然的にモチベーションは高かったわけです
そんな試合をしっかり戦って 引分に終えて 「この調子で本大会も!」 と
非常に期待が高まったのを覚えています。ところが あの結果で…。
グループリーグをクロアチアとのスコアレスドローだけが精一杯な予選敗退。
で 大会を終えて しばらく考えたんですよ。
なぜに直前試合であんな良い試合しながら 本大会ではダメだったのか と。
で思ったのは 一つは相手。例えばドイツにしても 今回五輪のアルゼンチンにしても
この直前試合でも当然 本気でしょうが 本大会になると また違ったギアが入って
実力が1段階アップするんじゃなかろうか と。ブラジルとかは本大会が始まってから
別次元に強くなりますからね。あの本能的ギアが強豪国の凄さですよ。
で もう一つは日本の緩み。引分にある程度の満足感があったんじゃなかろうか と。
がっつり戦って 引分けて 「俺たち やれたな」 みたいな満足感を 持っちゃって
その時 ハングリーさが 少し薄れたのかな と思ったんですよね。
例え納得行く内容や良い結果であっても どっかで悔しさや足りなさがないと
それを埋めようとする気持ちがなくなっちゃいますし そういうエネルギーは
もの凄く大事なんですよね。それが満たされて 薄れたんじゃないかとね。
本大会用のギアを持つ他国 と 妙な自信で 緩みを持った日本
こうした対比が あのドイツ大会で適わなかった理由じゃないか と思ったんですよ。
「思ってたよりも 全然 強い…」 と焦った時には すでに遅し。大会が終わってました
決勝Tに行けなかったのは そういう事以上に 実力ではありますけど
であればこそ 自信を持つのはいいけれど 緩みは持たずに戦ってほしかったですね
「足りないから 埋めようとするエネルギー」 これは常に持つべき と。
そして このドイツvs日本を思い出しながら見てた 五輪代表・アルゼンチン戦。
直前の壮行試合である事や 対戦相手が世界の強豪国である事や
同じく 「良い試合のニオイ」 がする事が 全く重なってて あの時の反省を踏まえると
手応えを感じながらも 悔しさは残す
これが最良の結果じゃないか と思いましたね。
自信をつけて それでも足りないものがあって そこに対する 「こんちくしょー!」 が
良いエネルギーになるのかな とね。それには0-1の敗戦が一番と思ってました。
で そう思いつつ見てると アルゼンチンが見事なカウンターから1点
その後 すぐに豪雨 そして落雷。で 結局 中止。本当は90分やって もう2~3度
惜しいチャンスがあって 試合終了がベストだったんですけどね。
でも 本大会に臨むためには 一番 良い結果で終えたんじゃないか と思います。
今 五輪代表選手には 確かな感触と悔しさが残ってて 良い状態じゃないですかね
いよいよ本大会が楽しみになって来ましたよ。 頑張れニッポン!頑張れ反町くん!
そしてもう一つ。
コンサドーレも清水戦辺りから良い状態になって 千葉戦・大分戦と手応えのある
試合をしてました。この辺りで選手も少し自信をを持ったのかなと思いますね。
ただ神戸戦から少し悪くなって 先日の新潟戦はまたチグハグな状態になって。
こうしたアップダウンも どっかに緩みがあるからなんじゃないですかね
ちょっと満たされたものがあって 油断とか 慢心とか 外からは見えないながらも
どっかにあって それがチーム全体を地盤沈下させてるような気がします。
もう一回 自分らはチャレンジャーで 自分の出来る全部を使わなきゃ勝てない
って事を思い出してほしいですね。新潟戦の負けが 「良い悔しさ」 を生んでれば
たぶん大丈夫でしょうけどね。やっぱ 「こんちくしょー!」 の精神ですよ 俺らは。
勝負事に 「負けていい」 なんてものはない。
だが 負けからプラスに出来るものもある。
確かな手応えと 残る悔しさ
そこに成長へのバネがある。