つまり サッカーは 「個対個」 の勝負である。
by 蹴馬鹿
■ 甲府 2-1 札幌
試合 見てないんですけどね。だから 昨日の試合については言い様がないんですが
開幕戦・2戦目を見て ちょっと気になってるのが 「個で勝負する意識」 かなぁ と。
今年 石崎監督になって 「組織として戦おう」 って意識は強く感じるんですよ
早めのプレスから クライトンに預けて サイドを使う そして中へ って形はあります
ただこの時 サイドから出る勝負球はクロスで これが合わない。中が競り勝ってない
だから 「センタリングまで」 で終わっちゃうんですよね。
これは クロスの質も問題なんですが FWの特性にも問題があると思いますね。
今 キリノが1トップなんですが 飛び込んでのヘッド というのは得意じゃない様で
クロスに対して落下点の読みなんかも そんなに上手くはない選手ですね
となれば サイドを使った攻撃でも 最終的には 下を通してシュートまで持って行く
のが理想的かなと思いますね。例えば 外から中央 一旦下げて ミドルとか。
で もうちょっと突っ込んで考えてみると 「サイドの所で勝負すべき」 と思いますね。
例えば藤田なり岡本なりが サイドで勝負して そこで揺さぶりが出来れば 相手DFも
動かざるを得なくなる となれば中央も もう少し楽になれる と。そうなって始めて
空中戦の勝負が出来るのかな と思いますね。現状だと 中央が苦しい状態のまま
放り込んでますから 中は相当な強さがなきゃ競り勝てないでしょうね
だけど中央の選手は 個の戦いに強くない という堂々巡りで。
で こうした問題はコンサドーレだけじゃなく 日本全体が抱えてるものかな と。
98年のW杯を惨敗で終えて その反省から 「日本は組織で戦うべき」 という課題に
取り組んだわけです。で トルシェが監督になったと。でまた このトルシェさんの
規律を重んじる戦術が日本に合った。更に02年の日韓W杯では結果も出した と。
この辺の影響が 「個を捨ててでも 組織を優先させる」 という意識になったようで
特に98年~02年を中高生で過ごした選手には 多大なる影響があったでしょうね。
つまり 今20代中頃までの選手は 「個の意識が弱い」 って事になるわけです。
そう考えてJリーグを見ると 今 果敢に勝負する選手は だいたいは10代ですね。
言換えれば 「トルシェの影響が弱まった世代」 と言うか 「ジーコ世代」 なわけです
で このジーコが提唱していたのが 「1対1の勝負」 で まさにって感じですね。
こうして見ると その時々で主流となった戦術が いかに影響が強いかが伺えますよ
丸ごと世代に影響を及ぼすんですから。
で 今のJリーグ 主軸の20代に物足りなさを感じるのはその 「個の意識」 ですかね
ジーコ時代には少し そういった意識も感じました。代表が常に 「1対1の意識」 を
訴えていれば それはクラブチームにも影響はあるでしょうし 代表入りを目指すなら
その意識を持ってなければ呼ばれないでしょうし。確かに影響はあった と思います
ただ あれから3年が経って その意識も薄れた と言うか 元々はトルシェの影響が
大きい世代ですから 意識の根底まで変える事は出来なかったわけで
どうしても 「個より組織を優先」 させる様になっちゃうんじゃないでしょうかね。
そうしたある意味 「弊害」 と呼べるものが 今の20代中頃の選手にあるわけです。
で その辺を踏まえつつも 個人的に 「サッカーは個の戦いである」 と思ってます。
対峙する選手をどう抜くか?対峙する選手をどう止めるか?
そこに立つゴールキーパーを どう外し どうシュートを決めるか?
そういう戦いである と思っています。むしろ そういう意識がなくっちゃ サッカーという
スポーツの面白さが失われる と思ってますね。そうした考えの下 コンサドーレを
見ていると どうも個の意識が弱いのかなぁと感じますね。
特に 「サイドアタック」 という意識が。
今のシステム 4-2-3-1 というやり方であれば サイドアタックが肝ですから。
C・ロナウド然り メッシ然り アンリ然り ロッベン然り アルシャビン然り
これらの選手が チャンスメイクと得点の両方 出来ているのは サイドアタックという
意識が高いからなんですね。例えば エリア外のサイドでボールを受けた時
斜めに入るドリブルを選択します。この時 彼らの第一選択は 「シュート」 なんですね
シュートを打つため斜めに切れ込む そういうプレーをしています。
それが彼らに課せられた仕事でもありますし それをやれるだけの能力もあります
ただ 一番 大事なのは 「その意識」 じゃないでしょうかね。
個で勝負する意識がなくっちゃ 何も始まらないわけです。
意識がなければ練習で取り組まないでしょうし チームメイトにもアピール出来ない。
逆に 常に勝負していれば 能力も高まりますし チームメイトもその役割を理解する
そういうもんじゃないか と思いますね。だから もっと勝負してほしいですね。
個人的には 岡本に このサイドアタックを期待してます。岡本の持つ能力や特性は
やっぱりサイドから斜めに切れ込む勝負だと思うんですよ。それをどんどんやって
ほしいな と。あと キリノも そうした動きの方が良いと思うんですけどね。
2人とも 消化不良でゲームを終えるのは勿体ないな と思いますよ。
危険な場所で 無謀な勝負をするのは 稚拙としか言い様がないんですが
勝負できるチャンスが来て それでも勝負しない となれば 結局 勝てないんですよ
それは 1試合の結果がどう とかじゃなくて 1場面の勝敗がどうとかじゃなくて
長い意味において勝てなくなっちゃうわけですよ。
だから そのチャンスを逃さないでほしいですね。で その時は 必ず勝負せよ!と。
サッカーにおいて 「組織」 とは非常に大事なものだと思います。
全員で戦う また 全員で取る・守る その意識は必要不可欠なものだと思います。
ただ 「全員」 である前に 「自分」 なんですね。「自分が戦う」 という意識があって
その塊りが全員って事だと思います。その意識が希薄になってしまうと
個の弱い ただの集団になるわけです。それじゃあ余りにも切ない。
個の強さがあってこその組織
そういうものを目指してほしいですね。そのためにも まずはサイドアタック。
ここに入った選手が まずは勇気を見せる。果敢にチャレンジする。
そうした姿勢がチーム全体に勢いを生むわけです。勇気も与えます。
若いチームなんだから 怖がらないで どんどんチャレンジしてほしいですね。
チャレンジして 失敗するのは恥ずかしい事じゃなく
失敗を恐れてチャレンジしない事こそが 恥ずべきこと。
「個の勝負の集合体」 こそが サッカーの醍醐味と思います。
どれほど失敗しようとも どれほど傷つこうとも それでも果敢に勝負する姿が見たい
石崎監督は そういうチームにしてくれる と信じています。
「個の強いチーム」 になる礎を 今 築いているのだと。
そこに行き着くまでの道のりは まだ始まったばかりです。