一度 掴んだものは 出来るなら 手放さずに。
最近 TVでユーミンをよく見るなと思ったら ライブツアーがあるようで。
カミさんがユーマーだから え?ユーマー 知らない?ユーミン好きを
ユーマーって言うんすよ(今 作った)いや んな事どうでもいいんですがね
で ユーマーのカミさんがアチコチに出てるユーミンを「全部 録画しろ!」
って言うんですよ。自分は機械オンチだからって こういう作業はオレに
やらせるわけ。オレだってメンドくさいから「録画じゃなくて見ればいい
じゃん」って言うんだけど 11時まで起きてられない つうんですよ。
だから録画しろ と。3歳児か お前は。だけどまぁ逆らわないですからね。
指令通りチャっチャっと録画してますよ。で この前 録画したやつを見てて
その中で良い曲がありましたね
「青いエアメイル」
知ってます?アルバムの中の曲らしいんですけど 曲紹介のコメントが
「ユーミンには珍しく 純愛を描いた作品」 みたいな感じで
何だか知らないけど 妙に興味を持ったんですよ。 で 聴いてみると
これが実に良い曲でしたね。隠れた名曲というか そもそもユーミンの曲
あまり知らないから 何が表で何が隠れたか 分かってないんですけどね。
まーとにかく しっとりと 切ない 名曲でありました。
歌の内容は 遠距離恋愛の2人。彼からのエアメールを待ち続ける少女。
そして届く手紙。で 雨が降ってて 取りに行って その場で読んじゃう
すっと待ち続けていたから 部屋まで待てないんですよ。すると 文字見た
だけで泣いちゃう。そんな純愛の歌。で 凄いのは 歌詞の表現力ですよ。
曲を聴きながら その情景が浮かぶんですね。ポツポツ降ってる雨とか
傘持ってる少女とか 手紙の文字とか 聴きながら次々と浮かんでくる。
映像で見てるんじゃないのに 見えてくる所が 天才ですよ ユーミンは。
そんな忘れかけた純愛とユーミンの表現力にすっかり感動したのですが。
それから丸一日がが過ぎて 昨日の夜 カミさんと話してたんですよ
この「青いエアメイル」の歌詞について。と言うのも おっさんのオレには
どうしても理解できない一節があったんですね
これが この曲の
歌詞 なんだけども この歌詞の中にある
選ばなかったから 失うのだと
この部分が どうにも分からない。選ばなかったのは 自分か?相手か?って
どうしても引っ掛かった。で カミさんに聞いたんだけど カミさんも
”?” な顔をしてる。まぁこのおばさんは もはや おじさんだからね
少女の心が分からないのは しょうがないっちゃしょうがないんだけども
どうにも この名曲の この一節だけは消化できなかったわけですよ。
ただ 2人でああだこうだ会議する内に 歌詞の本意はどうでもいいというか
自分なりの解釈でいいんじゃないか って結論に至ったんですね。
そうやって ある程度納得して もう一回 この曲と そのフレーズを聞くと
実に奥深く 色々考えさせつつも 良いフレーズだなー と思いましたね。
「選ばなかったから 失うのだと」
人もそれなりの年月 生きてると 様々な魅力的な人やモノに出会うのですが
中でも「これだ!」と思って掴むものってあるじゃないですか。
一瞬でもどハマりしたり 人ならもの凄く仲良くなるとか あるわけです。
ただ せっかくこれだと思ったものも 移ろいゆく中で 何となく手放して
しまった事もあると思うんですね。例えば趣味でもあるんじゃないですか
一時期ハマったのに いつの間にか興味を失くしてしまった みたいな。
それは自然な事だし 気持ちの問題だから 仕方のない事なのですが
ただ一瞬でも熱くなったものが 失われて行くのは やっぱり切ないですよ。
結局それは 自分が選ばなかったから 掴み続けなかったから 失うのか と。
オレが サッカーを選んだのは もう30年以上前の事。
その頃はサッカーなんて ほとんどの人は見向きもしないスポーツでした。
ただ中学がたまたまサッカーの人気があって 姉が「サッカーやりなよ」と
言って始めたのが切っ掛けでした。でも その時は すぐに辞めたんですよ。
練習がキツかった事もあるし その頃 気持ちが荒んでいたんですね オレ。
だから ”あの時 辞めずに頑張ってたら” という後悔が ずっとありましたね
それは 半端に終わってしまったからなのか 単にサッカーが好きだからか
サッカーに対する想いというか 憧れみたいものが 強く残りましたね。
その憧れは 今も続いてます。
今はもう後悔や残念な気持ちは消化されて 残ってるのは楽しさだけだから
何の妨げもなく 心からサッカーを楽しんでます。また こうして応援する
チームが勝てない時や 色んな事が上手く行かない時は こう考えるんですよ
「ちょっと前は なんも無かったよな」と。
サッカーが好きでも見る機会はなく 新聞に載る小さな記事や 年に1・2度
テレビで見れるのが楽しみだったよなと。そうやって初心に戻れば 何にも
怖くないんですよ。今 応援するチームがあるわけで。
「青いエアメイル」 の中の “選ばなかったから 失うのだと” というのは
結局 自分で手放してしまう事を歌ったんじゃないかと思います。
今は手放さない 手放したくない と思っていても いずれその感情は流され
自分も 相手も いつか心が離れてしまう そう予感させる事が悲しい と。
でも。サッカーは離れて行きませんからね。離れるのは自分なんですよ。
何かしらの感触を持つのは稀(まれ)な事で せっかく掴んだのなら
手放さずにいたいですね。時々放り出したくなる感情も 薄れて行く情熱も
気がついたなら軌道修正して また本線に戻して そうして続けたいですよ。
じゃなければ 流されるものもあります。流されて 失うものもあります。
「時の流れに 負けないの」 と松任谷由実さんは歌っています。
選ぶのは 自分。
あなたは サッカーを選びましたか?
あなたは チームを選びましたか?
選んだのなら それは手放さないように。