久々の連勝! これを 「昔象 嬉ぴいぃぃ」 と呼ばずして 何と呼ぶか!
■ 東京V 1-2 札幌
石崎監督の理想とする 「2-1での勝利」 とは こうした試合ではないだろうか。
東京は個人技 札幌は組織力と互いの特長を出し合い 得点も奪い合う
そうした中で 凌ぎを削り やっとの思いで勝利を掴み取る。 それが石崎監督の
理想とする蹴球観ではなかろうか。昨日の試合は まさに そうした試合になった。
昨日は 新札幌の参比亜座で観戦したのだが 行って少しの不安に襲われた。
と言うのも 去年ここで観戦会が開かれた時は 大型布製投影機で映していたのだが
昨日はそんな装置は出ておらず 木製横長椅子の前に薄型映像機(大)があるのみ
また 赤黒き 「らしき人」 もほとんど見掛けず 「本当に ここで やるのか?」 と
不安に襲われたのだ。同行した妻も同じく不安を持ったらしく 着くや否や
「やっぱ 大通に 行っか?」 と提案を持ち掛けた。
そう 昨日は 大通の麦酒遊庭園でも観戦会が行われていたのだ。
新札幌の参比亜座にするか 大通の麦酒遊庭園にするか 散々迷ったあげく
近い方の新札幌にした。だが 妻にしてみれば 麦酒という大好物を捨てた事は
大いに気がかりだったらしく まして観戦会っぽさの薄い参比亜座の様子は
彼女の 「麦酒への想い」 を一層 駆り立てたに違いない。「大通へ変更」 の提案は
単なる不安から来るものではなく 麦酒への後ろ髪も混じり合ってのものだった。
思えば 「麦」 という文字と 「妻」 という文字は よく似ている。
「ばかやろー 今から 大通りなんて行けるか!」
と言いたかったが それは止めて 変わりに 参比亜座のお姉さんに
「あのー 今日 ここで 試合見れるんですよね?」 と 男らしく聞いた。
参比亜座のお姉さんは 笑顔で横の薄型映像機(大)を指差した。
よくやく不安から解放され そこにある木製横長椅子に座り 試合開始を待った。
待つ事 50分。参比亜座のお姉さんが 映像切替機を手に持つ。競技場が映る。
試合開始。札幌は序盤から動きが良い。現地の気温が29℃となっており
暑さと湿気のため 動きの心配があったが それを全く感じさせないほどの走りだった
気持ちの充実がそうさせるのか?それとも たまたまなのか この動きの良さを
この試合 続けられれば いや これからの試合も続けられれば 勝点をぐっと伸ばせる
と そう思わせた。逆に東京Vは 地元開催に関わらず動きが今ひとつだった。
連携の途中途中に個人技を挟むのだが それが時間を使う事になり 早さを奪われる
札幌に倉井屯が居た頃の様な現象だ。だが それでも怖いのは 大黒の裏 一本。
東京Vが半端に繋いでくれてる時はそう怖くないが 裏一本を出されるのが怖かった
実際 序盤にその場面があり 大黒は1対1の場面を作り出している。
やはり 攻撃中の守備が課題であり 特に相手の鍵となる選手を捕まえ切れてない
そこが改善されれば もう少し攻撃に安心感が生まれるのだが。
がしかし 昨日の攻撃には 思い切りの良さがあった。特筆すべきは1点目である。
右の古田から 左の上里に出した球。この時の渡球が素晴らしかった。
古田は 初めから左に出すつもりで 後は その機会と場所だけの判断だった。
上里の運動速度を落とさず 次の動きがし易い球。その完璧な渡球を 古田は出した
こうした意識 こうした渡し球の精度が 札幌の組織力を上げているのだ。
古田から上里へ 上里は直接 中へ速い球を蹴る。そこへ 霧野の頭。
この一連の動きは3人の選手だけじゃなく 中央へ飛込んだ選手 繋いだ選手も含め
組織という意味において 完璧な得点だったのではないだろうか。
特に 古田の 「人を活かす能力」 は 組織力において 欠かせない能力に思った。
試合はその後 霧野の 「一旦 痛んで いきなり 猛狩」 をやったと思いきや
東京Vの守備陣の うっかり球をちゃっかり得点で 2-0と突き放しに成功した。
がしかし 喜んだのもつかの間 霧野の2得点目の後 東京Vの猛攻を喰らう
大黒の落しから 飛び込んできた永里に入れられる。これで2-1。残りは20分。
東京Vは前節 2-0からの敗戦を喫したらしく 「2-0の怖さ」 を説いていたが
その説が逆となる現象が起きつつあった。 そこからの20分は 恐怖という他ない。
少しづつ下がり始める陣形。押されっ放しの終盤。もはや 同点は運命か?
そんな恐怖感に包まれた。ただ 昨日の札幌は違った。
これまでなら相手の勢いに気圧され 失点した。だが 今は違う。
そこはかと漂う 気持ちの充実。圧されても圧し返す組織力
そうしたものが垣間見えた。奪えば早い逆襲で 鋭い攻撃を見せる。
時間を使う所 勢いを見せる所 そうした使い分けも出来ていた。
選手たちは 確実に 勝ちに向かっていた。恐れと戦っていた。
だが参比亜座 薄型映像機(大)の前に座る我々は 恐れに支配された。され切った
ちょっとでも相手に球が渡ると 悲鳴が上がる。体が硬直する。
まして中央へ球が送り込まれた日にゃ もう絶望の淵に立たされた気分になる。
画面 隅の時計が異常に気になる。何度も何度も時計を見る。空費時間が気になる
審判の告げた時間が 「4分」。ばかやろー4分なんて 途方もない時間じゃねーか!
もはや 絶望の淵を通り越し 崖の下 枝一本にぶら下がってる気分だ。
我々は 完全に 恐怖に支配された。されまくった。
がしかし 落ち着いて考えてみると そんなに危険な場面は ない。
東京Vの猛攻は 猛攻ではあるが それほどの猛攻ではない。だが そんな分析が
出来る余裕など 全くない。空費時間の1秒1秒に 身を削られる様な想いをした。
が 主審が 笛を鳴らす。
試合終了。体に入っていた力が 一気に抜け落ちた。
素晴らしい得点。充実した内容。終了間際の恐怖。そして 訪れる 歓喜。
これが 応援の醍醐味である。
思うに これが 「蹴球の楽しさ」 ではなかろうか。
石崎監督の言う 「理想は 2-1の勝利」 は こうした恐怖感も含めて
蹴球の楽しさを味わってもらいたい そんな想いが込められる ように思う。
そして我々は それを存分に味わった。
だから試合後の歓喜は この身の底から湧き上がる様な喜びがあった。
若いチームが徐々に力をつけて来た事。結果が伴って来た事
久々の連勝である事。何よりも 応援する札幌が 勝った事。そうした全てを含め
嬉しかった。
そんな表現しか 今は見つからない。
いや もっと具体的に 心の奥底までを 忠実に表現するならば
こう言える
コンサドーレが勝ったー!
マンモス うれピーーーーーーー!!!
以上 サンピアザで見た コンサドーレvsヴェルディの感想である。